incident2.0係
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チッ。邪魔が入ったか。もう少しで食えたというのに。忌々しい連中だ。だが見えた。見えたぞ。我々にとっては造作もない。あれは極上の魂だ。必ず手に入れてやる。
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本庁に行くまでの間、車内で蛇丸という男の子はずっと喋っていた。
「ねぇねぇ俺、蛇丸左右!君は?」
「て、天童日花です…」
「日花ちゃんか!どういう漢字で書くの?」
「天童は天気の天に童話の童。日花は朝日の日に花火の花です」
「そうなんだ!えーと…はなちゃん、は違うな…うーん…そうだ!ひーちゃん!ひーちゃんって呼んで良い?」
「はぁ…」この独特なネーミングセンスはどこから来るのだろう。しかも距離感がバグっている。さっき会ったばかりだろう。
「何歳?」
「コラコラ、蛇丸君」
神楽坂さんが嗜める
「あぁ、ごめん。女性に聞いたらダメだよねー。前にりりさんに聞いたらさ、それはもう…」
「蛇丸君?」何だか蛇丸の名前を呼ぶ神楽坂さんの笑顔がこわい。何があったか分からないがここは答えておこう。
「えっと…19歳です」
「えっ!俺18歳。近いじゃん」パァッとした笑顔で顔を近付けてくる。だから近いよ。
(それはそれとして蛇丸君って結構イケメンだよね…)異形の者と対峙しているときは色合いがきれいだと思ったけど改めて見るとやはりカッコいい。他の人達もチラチラと見てみるがこのチーム美形揃いでは!?
三千院さんはインテリな雰囲気のハンサム。大人の色気が溢れている。
神楽坂さんは容姿端麗。百合の花の様に凛としている。
横に座っている女性…阿刀さんだったかな?はクールな美女。ポニーテールの艶やかな髪が羨ましい。
あんな事があった後なのにこうやって考えている自分って案外冷静だなと思っていると「蛇丸、うるさい」先ほどの刀の女性、阿刀さん(?)が窓の外を見ながら注意する。
「えー、ちげさんこわい」ちげ?ナベ?蛇丸君がサッと私を盾にして後ろに隠れる。「その名で呼ぶなと言っただろう。私の名は阿刀千景だ。今日こそ、その脳みそ花畑頭、伐採してやろうか?」刀をスラッと鞘から抜こうとする。「わーん、ひーちゃん助けてー」助けて欲しいのはこっちだ。私を挟んでケンカしないで欲しい。
「大丈夫よ、日花ちゃん。」良かった。凛々子様が…「私、呪術も得意だから」イヤ、全然良くない!!「りりさんまでーひどいよー」誰かこの茶番劇をおわらせてくれ…。よし、こうなったらとにかく話題を変えよう。
「あの…私を襲って来た女性は大丈夫なんでしょうか?」これには三千院さんが答えた。「大丈夫だ。神楽坂が浄化したし専門家がいる」
「専門家?」「まぁ、会えば分かる…俺はあまり会いたくないがな」はぁ…とため息をつく。そんなに会いたくない程嫌いな人物なのだろうか?
個性爆発チームの登場です。このチームをまとめている三千院さんってすごいなと思いました。お疲れ様です。この後も強めなキャラの登場となります。お楽しみに。