incident15. 蛇の道
ホテルに帰り、お風呂に入って髪を乾かし、一息ついたところだった。
「コンコン」ドアをノックする音。こんな時間に誰だろう?とりあえず出てみるとそこに立っているのは蛇丸君だった。
「じゃ…」
「シーッ」口を手でふさがれる。こっそりドアを閉めた。
「どうしたの?」
「アイツと何を話した?」
「アイツ?」
「赤城だよ!警察☆Menの!」
「声が大きいよ。聞こえちゃう」
「そうだね。これからする事も聞こえちゃうかもしれないしね」
そう言って邪丸君は部屋の鍵をかけて、「蛇道、邪道、蛇の道」と唱えて結界を張った。
「これからって、何を?」
「赤城と何をした?」
「何って、赤城君のブレスレットが落ちていたから渡したの」
「それだけ?」
「後は…」言えない。
「黙ってるって事は言えない事をしたんだ」私は何も言えずにいた。
すると蛇丸君はベッドに私を押し倒す。
「確か印って言ってたよね」ここか、蛇丸君はそう言って同じ場所に強いキスをする。
「!!」
「上書き完了、他は?」
「何も、ないよ」
「ウソ、抱き締められてたよね?」胸が苦しくなる。
「もう、いいよね?そろそろ寝ないと…」
「ダメ」蛇丸君にぎゅっと抱き締められる。「アイツだけはダメだよ」
「今日の蛇丸君、変だよ」
「そうね」神楽坂さんが蛇丸君の頭を紙の束でパコンと叩く。
「え!?神楽坂さん!」
「何だよ」
「何だじゃないわよ。何してるの。日花ちゃんが怖がってるじゃない」いつの間にか神楽坂さんがそこにいた。
「打ち合わせの時間になっても来ないから部屋に行っても出ないし、電話をしても繋がらない。結界を使った気配を感じたからおかしいと思って鳥居を使ったのよ」
鳥居とは高等レベルの者ではないと使えない術だ。他の結界にも入れる術だがその分消耗も激しい。さすが凛々子様だ。
「ひーちゃん、本当にごめんね」
「大丈夫、だよ」
「これ、現段階の資料。よく目を通しておいてちょうだい。さあ、行くわよ蛇丸」
「え?」
「ふふふ、三千院様のお説教タイム」
「うわー!」がっちりと逃げないように捕まえて連れて行かれる蛇丸君。鳥居は閉じた。「あれ?」ふと気付く。
そうだ。蛇丸君を見て思い出した。赤城君に似ているとー。




