表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/237

72話 サッカーしようぜ・その7

「くっ!?」


 空中からボールが落ちてきた……いや。

 落ちてくる、なんて表現は生易しい。

 まるで隕石のようだ。

 スローイングとは思えないほどの勢いがある。


 まさか、ダイレクトにこちらのゴールを狙ってくるなんて……!


「この!」


 幸いというべきか、距離があるからボールの軌道は読みやすい。

 落下のタイミングに合わせて蹴り返す。


 そのままキャッチしてもよかったのだけど、少し嫌な予感がした。

 それは正解で……


「なっ!?」


 ボールを蹴ると、思ったところとはまったく正反対の方向に飛んでいく。


 強烈な回転がかけられていたのだ。

 もしもキャッチしようとしていたら、ボールが手の中で暴れて、最悪、そのままこぼれ落ちて失点していただろう。


 ボールは空高く舞い上がり、それをカナデが追いかける。

 しかし……


「甘い」

「えぇ!?」


 敵選手はカナデよりも高く速く跳躍して、ボールを取る。

 そのまま宙で回転して、腰を捻りつつ……シュート!


 ゴォッ!!!


 風を巻き込み、大気を震わせるかのような強烈なシュート。

 ボールが轟音を立てつつ目の前に迫る。


「ブースト!」


 今の状態では受け止めることができない。

 そう判断した俺は、自身に身体能力を強化する魔法をかけた。


 体が熱い。

 力が湧き上がる。


 これなら……


「いける!」


 さっきのように弾いていたらダメだ。

 ボールを奪われてしまい、ゴールするまで何度も攻められてしまうだろう。

 危険かもしれないが、受け止める!


 俺は両手を軽く広げて、シュートコースの中心に立つ。

 そして、業風を立てて飛び込んでくるボールを受け止めて……


「ぐぅううう!?」


 ボールに触れた瞬間、全身に大きな衝撃が走る。

 まるで馬車と激突したかのようだ。


 それだけじゃない。

 ボールは強烈なスピンがかかり、両手の中で暴れまわる。

 意思を持っている動物のようで、隙あれば俺の手から逃げ出そうとしていた。


 そしてなによりも……


「つ、強い……!?」


 ボールの勢いが強すぎる。

 キャッチしたはずなのに、未だボールは暴れていて……

 その勢いに押され、ぐんぐん後ろに下がってしまう。


「レイン!? ダメ、無茶はしないで!」

「そうよ、一点くらいどうとでも……!」


 カナデとタニアが心配そうに言うけど……

 ゴールキーパーが積極的に守備を放棄するわけにはいかない。


 それに、せっかく優勝まであと一歩のところまで来たんだ。

 最後も勝って、みんなで笑いたい。


「これ、くらいでぇっ!!!」


 収まることのないボールの勢いに押されて、体がどんどん後退する。

 このままだと、強引にゴールされてしまうだろう。


 でも、そんなことは許さない。

 絶対に食い止める!


「ぐっ、ううう……おおおおおぉっ!!!」


 体の芯から力を振り絞り、両足でしっかりと大地を踏みしめる。

 そして全力でボールに抗い……


「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」


 なんとかボールを止めることに成功した。


「ほう、俺のシュートを止めるか」


 そう言うのは、先程シュートを撃った敵キャプテンだ。

 ニヤリと笑いつつ、言う。


「骨のないヤツばかりで退屈していたところだ。お前は、俺を楽しませてくれるかな?」

「あんたは、いったい……?」


 最強種であるカナデよりも高く速く跳んだ。

 そして、今の強烈なシュート。

 普通の人間にできることとは思えないのだけど……


「ふっ……良い試合になることを期待しているぞ」


 敵キャプテンは応えることなく、フィールド中央に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◇◆◇ 新作はじめました ◇◆◇
『追放された回復役、なぜか最前線で拳を振るいます』

――口の悪さで追放されたヒーラー。
でも実は、拳ひとつで魔物を吹き飛ばす最強だった!?

ざまぁ・スカッと・無双好きの方にオススメです!

https://ncode.syosetu.com/n8290ko/
― 新着の感想 ―
[良い点] い、一体誰なんだ?相手のチームは?? ん?まてよ?カナデ達と同じ最強種だとするなら・・・まさか・・・?? 予想するのは2つのパターンがあるだけにどっちに転がるんだ・・・?ボールだけに。
[一言] ラインハルトか?
[気になる点] なんかラインハルトっぽくも見える様な……?
2023/02/06 13:21 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ