表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/237

55話 ルナの妄想

「レイン、レイン」

「うん?」

「あーん」

「まったく……」


 レインは仕方ないな、と苦笑しつつ、ルナの口に肉を運ぶ。

 ルナはそれをパクリと食べて、幸せそうな顔に。


「んー、うまいのだ♪」

「ルナが作ってくれたものと、なにも変わらないぞ?」

「レインにあーんをしてもらうことが大事なのだ。愛情は、最高のスパイスなのだぞ?」


 レインとルナが結婚して一ヶ月。

 新婚ほやほやの二人は、毎日がこんな調子だった。


 甘く、甘く、甘く……

 砂糖では比較にならないほど、ひたすらに甘い生活を送っていた。


 一緒にごはんを食べて、一緒に風呂に入って、一緒に寝て……

 二人はいつも同じ時間を過ごしていた。

 それは幸せな時間で、とろけるように甘い。


 ただ……


 それ以外の時間もあった。


「むっ!?」


 突然、部屋の端に置かれているランプが点滅した。

 ビービー! と、なにやら警告音が鳴る。


「ルナ、今のは……」

「うむ、またヤツらが現れたみたいなのだ」

「懲りないヤツだな」

「だが、問題ない。この街には、我がいるからな!」

「ああ、その通りだ」

「レイン、すまないが、いつものようにバックアップを頼むのだ」

「任せてくれ」


 そして、二人は街へ駆け出した。




――――――――――




「きゃあああああ!?」

「うわぁあああ、助けてくれー!!!」


 街中で火柱が上がる。

 人々は悲鳴をあげて逃げていた。


 その中心に奇妙な人影があった。


 フルプレートを身に着けているが、兜の奥に顔は見えない。

 代わりに炎があふれていた。

 隙間から炎が漏れることで、全身が燃えているかのようだ。


 怪人ファイアーナイト。

 悪の秘密結社、ユウ=シャーリオスが世界征服のために作った兵士だ。


「ははは! 愚民共よ、シャーリオスの威光にひれ伏すがいい!」


 ファイアーナイトは炎をまとう剣を振り、街を破壊する。


 シャーリオスの暴力を止める者はいないのか?

 このまま街は焼き尽くされてしまうのか?


 誰もが絶望した時……


「そこまでなのだっ!!!」

「なに!?」


 鋭い声が響いた。

 ファイアーナイトが頭上を見上げると、時計塔のてっぺんに小さな姿が。


 ふりふりのドレス。

 同じく、フリルがたくさんついたカチューシャ。

 そんなかわいらしい衣装とは正反対に、ごつい小手と足甲を身に着けた少女。


 そう、彼女こそは……


「光の使者、シャイニールナ! 正義を守るため、悪の現場にただいま推参っ!!!」


 キラッ! と、ルナ……ではなくて、シャイニールナに光が刺した。


「やった、シャイニールナが来てくれたぞ!」

「これで助かったわ!」

「がんばれ、シャイニールナ! 悪のファイアーナイトをやっつけろ!」


 民は歓声をあげて、


「むううう、またしても邪魔をするか!」


 ファイアーナイトは怒りに燃える。


「だがしかし、貴様の運命もここまでだ。喰らえ、ファイアープリズン!!!」

「なに!?」


 炎が舞い上がり、シャイニールナを閉じ込めた。


「うあああああ!?」

「ははは、どうだ!? 貴様を倒すために開発した、必殺の魔法だ!」


 ファイアーナイトは勝利を確信して、高笑いを響かせる。

 その様子を見て民は絶望する。


「ああ、そんな……まさか、シャイニールナが……」

「ダメだ、俺達はもう終わりだ……」

「諦めないでくれ!」


 絶望する民の心を奮い立たせるかのように、レインの鋭い声が響いた。


「今から俺が魔法を使う。みんなは、シャイニールナを応援してほしい。それが彼女の力となる!」

「そ、そういうことなら……がんばれ、シャイニールナ!」

「負けないで!」

「がんばれー! がんばれー!」

「いいぞ、これなら……いくぞ、シャイニールナ! ブースト!」

「むむむっ」


 みんなの祈りが力となる。

 力が希望を生む。


 シャイニールナが輝いて……

 そして、一気に力を爆発させて、炎の檻を打ち破る!


「ば、ばかな!? 我らの叡智の結集が、こうも簡単に……」

「ふん。叡智? そんなものはどうでもいいのだ。必要なのは……愛なのだっ!!!」


 シャイニールナは力強く言い放つと、時計塔から跳躍した。

 くるくると回転しつつ体勢を整えて、魔力を足先に集中。

 そして、直上から叩き落とすかのような蹴撃を放つ。


「必殺っ、ゴッドサンダーキィイイイイイッッック!!!!!」

「うわぁあああああ!?」


 シャイニールナ最大の奥義が炸裂して、ファイアーナイトは爆散した。

 その炎を背景に、シャイニールナはびしりとポーズを決める。


「悪は必ず散る……成敗!!!」




――――――――――




「……ふへへ、正義は勝つのだぁ……」


 よだれを垂らしつつ、年頃の乙女としてはいけない顔をしつつ、すやすやと眠るルナ。

 彼女が見ている夢は……色々とアレだった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


「面白い」「続きが気になる」と思っていただけたのなら、

【ブックマーク】や【評価】をしていただけると、すごく嬉しいです。

評価はページの下の「☆☆☆☆☆」から行うことができます。

反響をいただけると、「がんばろう」「もっと書いてみよう」と

モチベーションが上がるので、もしもよろしければお願いいたします。


次話も読んでいただけると嬉しいです。

よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◇◆◇ 新作はじめました ◇◆◇
『追放された回復役、なぜか最前線で拳を振るいます』

――口の悪さで追放されたヒーラー。
でも実は、拳ひとつで魔物を吹き飛ばす最強だった!?

ざまぁ・スカッと・無双好きの方にオススメです!

https://ncode.syosetu.com/n8290ko/
― 新着の感想 ―
[気になる点] 戦隊になったら人数がすごいですねw >>因みに夢の中であの二人も・・・(extra) サ「皆さん。どうかわたくしのために頑張ってくださいね・・・ウフフッ(* ̄▽ ̄)」 フリルの可…
[気になる点] 「むううう、またしても邪魔をするか!」 ファイアーナイトは怒りに燃える。 >>ファイアープリズンではなく別の策だったら・・ 「だがしかし、貴様の運命もここまでだ・・・」 「”先生方…
[気になる点] 「そこまでなのだっ!!!」 「なに!?」 鋭い声が響いた。 ファイアーナイトが頭上を見上げると、時計塔のてっぺんに小さな姿が。 ふりふりのドレス。同じく、フリルがたくさんついたカチュ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ