25話 ステラの悩み・その2
ホライズンの中央にある広場で人を待つ。
広場には噴水があるからか、涼しくて過ごしやすい。
のんびり涼やかな風を浴びていると、
「すまない、待たせたか?」
「いや、大丈……ぶ……?」
ステラがやってきた。
「……ステラだよな?」
「なぜ疑問形なのだ?」
「いや、なんていうか……」
今日のステラは私服だった。
ふわりと広がるスカート。
花の髪飾り。
派手に着飾っているわけじゃないんだけど、でも、ついついじっと見てしまうような魅力があった。
鎧姿しか見たことがないから、なんだかとても新鮮だった。
「私の格好は変だろうか……?」
「あ、いや。そんなことはないよ。すごく綺麗だ」
「そ、そうか?」
「ああ。すごく綺麗だから、ついついじっと見て、なんて言えばいいかわからなくて……うん。それくらい綺麗だと思う」
「や、やめてくれ……すごく恥ずかしくなってきた」
赤くなり、恥ずかしそうに視線を逸らすステラ。
これも初めて見る一面で、妙な気持ちになってしまう。
「と、ところで……ステラの両親は?」
今日はステラの両親がやってくる日だ。
俺と会食をして、その人となりを見極めるらしいが……
「それが……」
ステラは困った顔をしつつ、事情を話してくれた。
会食の前に、二人がデートしているところを見たいと言い出したらしい。
邪魔はしない。
こっそりと影で見るだけ。
「たぶん、私達の仲を疑っているのだろう。まあ、事実、偽装だから疑われても仕方ないのだけど……」
「それじゃあ……」
「まずは、私と、その……デートをしてくれないだろうか?」
やたらと恥ずかしそうだ。
そういう経験がないのだろうか?
でも、ステラは美人だから、男性からは人気があると思うのだけど……
「び、美人とか言わないでくれ!?」
「あ、すまない。口に出していたか? でも、本心だから」
「だ、だからそういうところが……うううぅ」
とても恥ずかしそうだった。
「とりあえず、デートをすればいいんだな?」
「ああ、その通りだ」
「そっか……デートとかいまいちよくわからないんだけど、がんばるよ。よろしくな」
「こちらこそ」
こうして、ステラとデートをすることになったのだけど……
「……ぐぬぬ、レインとデート」
「……う、うらやましくなんかないんだからねっ」
「うん?」
なんか今、聞き慣れた声がしたような?
振り返るけど、しかし、誰もいない。
「気のせいかな……?」
「どうしたんだ、レイン?」
「いや、なんでもない。行こうか」
――――――――――
広場から少し離れたところにある露店。
その影に、カナデとタニア。
それと、ソラ、ルナ、ニーナ、ティナがいた。
ティナは人形バージョンで、ニーナの頭の上に乗っている。
「今の聞いた?」
「聞いたわ」
「にゃー、レインとデートなんて……」
「ステラは泥棒猫だったのかしら?」
「なんでそこで私を見るの!? 猫だから!?」
「しっ、そんなに大きな声を出したらあかんで」
ティナが唇に人差し指を当てて、静寂を促した。
「思わぬ展開になりましたね……恋人のフリをするだけではなくて、まさか、デートまでするなんて」
「くっくっく、実におもしろい展開ではないか!」
「おもしろいのですか……?」
「うむ。これを機会に、二人の絆を確かめてやるのだ」
ルナは悪い顔をして笑う。
悪の組織の下っ端構成員、という言葉がよく似合う。
「なにを考えているの?」
「我らも二人に協力してあげるのだ」
「え、協力するの? でも、どうやって?」
「デートといえば、トラブルがつきものだろう? 我らがそのトラブルとなり二人の障害となり、二人の絆を確かめてやるのだ! ふはははっ」
「……それ、邪魔者って言わない?」
タニアのジト目もなんのその、ルナは不敵に笑う。
「邪魔者けっこうなのだ! このまま二人をデートさせるなんて、なんか、むしゃくしゃするのだ! みんなはどうなのだ?」
「そう言われると……」
「その通りかも……」
ルナの言葉を受けて、カナデ達は複雑な表情に。
レインがデートをするのは嫌だ。
他の女性に笑顔を向けてほしくない、優しくしてほしくない。
どうしてそんなことを思うのか、よくわからないのだけど……
でも、嫌なものは嫌だ。
「なれば我らの心は一つ! レインとステラのデートを邪魔……もとい、試練を与えてやろうではないか!!!」
「「「おーっ!」」」
カナデ達が結託する中、
「ええか、ニーナ? ああいう風になったらあかんでー」
「よく、わからないけど……わかった」
ティナはカナデ達を反面教師にして、ニーナの教育をするのだった。
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