227話・遭難その12
船を作る班。
保存食を作る班。
いつも通りに食料と素材を集める班。
俺達は、三つの班に分かれて行動することにした。
カナデとタニアとステラは、素材を集める班。
食料もそうだけど、木材などは、やはり力がないと難しい。
保存食を作る班は、ソラとルナとナタリーさん。
……正直、ソラが不安要素でしかない。
とはいえ、ルナも一緒だから、うまくコントロールしてくれると思う。
そう願う。
いや、本当に。
最後、船を作る班は、俺とティナとニーナだ。
多量の木材をパズルのように組み立てていかないといけない。
力を使う作業だ。
ティナとニーナの見た目を考えると、向いていないように見えるのだけど……
「ほいっ、ほいっ。そっちいくでー」
ティナは念動力を使い、木材をふわふわと運んでいく。
ある程度、魔力は消費するけど、これなら重さは関係ない。
能力は制限されているが、この程度なら問題ないようだ。
そして、ニーナは……
「……えい」
転移を使い、木材を組み合わせていく。
こちらもティナと同じようなもの。
能力を使えば重さは関係ないし、正確な位置で組み合わせることができる。
制限されている中でも、やはり能力の使用に問題はない。
「よーし、いい感じだ」
俺は、ところどころで手伝いつつ、製作の総指揮を執る。
まずは、船の各部のパーツを分けて作る。
しっかりと、ミスのないように。
それぞれが完成したら、後で組み合わせていく予定だ。
これなら、きっと島を脱出できる良い船ができるはず。
みんなの力を合わせて作るものだから、失敗はしないという謎の自信があった。
もしかしたらそれは信頼なのかもしれない。
――――――――――
「……レイン!」
船の製作を進めていると、なにやら焦った様子のカナデが駆けてきた。
「どうしたんだ?」
「た、大変だよ!? 大変なことが起きて、大変だから、すごく大変なんだよ!!!」
「うん。とりあえず、落ち着こうな?」
かなり混乱しているみたいだ。
でも、カナデもここの島の生活に慣れているはず。
それなのに、ここまで焦るなんて、いったいなにが……?
「そういえば、タニアとステラは?」
「家の場所を知られるわけにはいかないから、迂回して、撒いてくるって。私は、その間にここに来たの」
「撒く?」
「うん! あいつは、目もいいし鼻もいいし、ものすごく速くて頑丈だけど……でも、たぶん、撒くことができたと思う」
なんの話だろう?
いまいち事情が見えてこない。
「結局……どういうことなんだ?」
「この島には……」
カナデは、雰囲気を作るかのように、たっぷりと間を溜める。
いやいや。
そういうものはいいから。
すぐに事情を教えてほしい。
「この島には、とんでもない『主』がいたんだよ!!!」




