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225話 最強種の里を追放された猫耳少女、おかしなビーストテイマーと出会う

「カナデちゃん、あなたは追放よ」


 おごそかな雰囲気の中、カナデは、母であるスズからそんなことを言われた。


 きょとん、と小首を傾げる。


「えっと……どういうこと? なにかの冗談?」

「冗談じゃないの……本気ですよ」

「え?」


 カナデの表情が凍る。


 対する母は悲しそう。

 目を合わせることができず、視線を逸らしていた。


「追放って……ど、どういうこと?」

「そのままの意味ですよ」

「里を……出ていけ?」


 スズは無言で頷いた。


「どうして!? ねえ、なんで!?」

「それは……ごめんなさい」

「ごめんなさいじゃわからないよ! 私、お母さんの娘なのに……それなのに、どうして!?」

「……」


 スズは答えない。

 辛そうに顔を伏せるだけだ。


 肩が小さく震えているのは……そういうことなのだろう。


 本気を悟り、カナデはぺたんと腰を落とした。

 どうしてこんなことに?


「……本気、なんだね」

「ええ」

「……」


 尻尾もぺたんと垂れた。


 母は、このような冗談は口にしない。

 本気なのだ。

 本気で娘を追放しようとしている。


 いや。


 追放する。


 これはもう決定事項だ。

 なにをしても覆ることはない。

 今はただ、淡々と事実を告げているだけ。


 ただ……


「どうしてなの?」


 追放されるとしても、せめて理由を知りたい。

 このまま、なにも知らされずに追放されたら、いくらなんでも理不尽すぎる。

 せめて理由を知りたい。


「それはね……」

「それは……?」

「……カナデちゃん、ごはんを食べ過ぎなんですよ!」

「……にゃんですって?」


 カナデは、ぽかーんとなる。

 母は、至って真面目な顔で言う。


「カナデちゃん、人の十倍は食べるから、里は今、食糧危機なの!」

「えっと……」

「このままだと、里の食料はなくなってしまう……壊滅です。そうなる前に、原因であるカナデちゃんを……うぅ、ごめんなさい」

「そ、そんな理由なの……?」

「カナデちゃんが、ちょっとお腹が空いたから、っていうだけで、夜のつまみぐいで里の食料庫、全部空っぽにした時は、お母さん、卒倒するかと思いました」

「ご、ごめんなさい……」


 カナデは、だらだらと汗を流しつつ、逃げるように視線を逸らした。


「と、いうわけで……カナデちゃんは、食料庫を満たすくらいの獲物を狩ってくるまで出禁ですよ♪」

「にゃああああああ!?」


 ……全部、自業自得だった。


 こうして、カナデは旅に出ることに。


 犯した罪を償うために。

 贖罪の旅に出る。


 険しい山を超えて。

 荒々しい大河を超えて。 

 果てのない大地を進んでいく。


 しかし。


 手に入れた食料は、運動してお腹が減ったー、という理由でその場で食べてしまう。


 しまった、食料を得るために旅に出たんだった。

 思い出しても、すでに時遅し。

 全て平らげた後である。


 結局、カナデは目的を果たすことができず、さらなる旅を続けた。

 獲物を探して。

 狩り。

 その場で食べて……


 その繰り返しだ。

 まったく学習しない猫であった。


 その旅も終わりを迎えてしまう。

 あまりにも無計画すぎて、ついに、カナデ自身の食料も尽きてしまった。


 空腹で動けない。

 今ならスライムにも負けてしまいそうだ。

 ふらふらになりつつ、かろうじて意識を留めて、食料を求めて前に進んで……


 そんな時、魔物に遭遇してしまう。


 あぁ……ここが私の最後か。

 短い人生だった。

 しかし、悔いはない。

 そこそこ、お腹いっぱいに食べることができたのだから!


 そんなことを考えていた時、人間の男が現れて……




――――――――――




「って、私、追放なんてされていないからね!? 食料を求める旅に出たことなんか、ないからね!? 行き倒れそうになったのは確かだけど、あれは、ちょっとしたトラブルのせいだからね!? 嘘じゃないよ、信じてぇーーーーー!!!」


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― 新着の感想 ―
へぇ〜カナデのスピンオフにはそんなことがあったんだ〜・・ やっぱりポンコツ猫娘だったということで、ナタリーさんやポライズンの、みんなに知らせてあげようかな〜?
燃費が悪すぎる。
あったかもしれない世界戦だぁ……
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