224話 遭難・その10
「……ふぅ、太陽を見てこんなにほっとするなんて、初めてかもな」
三日後。
ようやく嵐が過ぎ去り、島に平穏が戻っていた。
空は青が戻り。
保護した小動物や鳥達は、それぞれ森に戻っていく。
どうにか乗り越えられたものの……
「……いや。これは、乗り越えられたというべきなのか?」
しっかりと補強したはずの洞窟の家は、嵐の衝撃に耐えることができず、あちらこちらにダメージが。
門も大きく歪んでいる。
なにかが飛んできたのか、無数の凹みもできていた。
その外にある柵や畑は全滅だ。
なにもかも吹き飛んでしまい、キレイさっぱり消えてしまった。
「はぁ……まいったな」
ようやく生活基盤が整ったと思ったら、めちゃくちゃにされてしまった。
ゼロから、ということはないけど……
かなりの後退を余儀なくされる。
かなり痛い。
痛いのだけど……
とはいえ、いつまでも凹んでいられない。
やることはたくさんだ。
「よし、気持ちを切り替えていくか!」
――――――――――
まずは、もう一度、柵を作ることにした。
前回と違い、太い木材を使い、二倍ほどまで深く突き刺す。
さらに骨組みを強化。
風の抵抗を減らすために、きちんと隙間を空けておく。
そこから畑を再建して……
嵐の影響で、洞窟の家に入った水などを排出して、壁や床が腐らないようにしっかりと乾かして……
……なんならタニアが表面を焼いていた。
蒸留装置は海辺の近くに戻して。
森に仕掛けていた罠は吹き飛んでいたため、再び設置して。
半日をかけて、だいたい、復旧することができた。
――――――――――
「こんなところかな?」
「ええ感じやん。うちら、がんばったでー!」
「家が元に戻ると、なんか嬉しいね。私達の成果がすぐに見える、っていう感じで」
一時はどうなることかと思ったけど、無事、嵐を乗り越えることができた。
よかった。
これで、無事に島で暮らすことが……
「……」
って、いつまでも島で暮らしているわけにもいかないな。
しばらく経ったけど、救助が来る気配はない。
地図に載っていない島かもしれないし……
先のような嵐が来る場所から、人が近づかないのかもしれない。
救助を期待しない方がいいかもしれないな。
そうなると……
「ねえねえ、レイン。今日はなにをするの? 狩り?」
「あたしに任せてなさい! たくさん、肉をとってきてあげるわ」
「でも、保存食はまだありますよね?」
「我は、新鮮な肉と野菜が食べたいのだ……」
「そうですね。私、その気持ちはちょっとわかります」
「保存食は、あくまでも保存食だからな。可能なら、新しく食料を調達した方がいいだろう」
「……」
みんなの意見を受け止めて、ふと、まったく別のことを考えた。
いつまでもこうしているわけにはいかないし……
そうだな。
試してみる価値はあるか。
「今日は、チームを三つに分けよう。まずは、いつものように食料や家の補強などに使える木材などの調達班。それと、嵐の後の島の様子を見てきてほしいから、その探索班」
「最後はなにかしら?」
「……脱出用の船を作る!」




