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220話 騙されてはいけない

「こんにちは、ソラです」


「久しぶりに、スピンオフで長い話をやっていましたが、それだけだとちょっと飽きてしまうので、たまに別の話を書きたいのです、書かせてください……と作者が言っています。まったく、わがままな作者ですね」


「わがままを聞いていただけると嬉しいです」


「それでは、どうぞ」




――――――――――




「すみませーん」

「はーい!」


 カナデが一人、家で留守番をしていると、来客があった。

 表に出ると、見知らぬ人。


 いきなり鍵を開けてしまうのはとても不用心ではあるが、カナデは最強種。

 刃物を持った強盗が現れたとしても、即座に返り討ちにしてしまうだろう。



 ※最強種でない一般の方は、いきなり扉を開けたりしないでください。

  カメラで確認したり、チェーンロックをかけた状態で扉を開けるなど、

  きちんとした対策を心がけましょう。



「どちらさま?」

「私、ホライズン騎士団支部に所属する騎士でして……」

「騎士? えっと……騎士が、どうしてうちに?」

「実は、あなた方に詐欺の疑いがかけられていまして」

「詐欺!?」


 カナデはびっくりして、自慢の尻尾をぴーんと立てた。


 え? え? え?

 ……と、頭の上に疑問符を浮かべて混乱しつつ、ひとまず続きを聞く。


「先日、お年寄りなどを中心に狙う詐欺グループを摘発いたしまして」

「な、なるほど……おつかれさまです?」

「その捜査を進める中で、犯人の一人が、こちらの家に住んでいる方に協力をしてもらっている、という証言をしまして」

「えぇ!?」


 そんなばかな、とカナデは叫んだ。


 レイン、タニア、ソラ、ルナ、ニーナ、ティナ。

 そして自分。

 詐欺に協力する者なんて誰もいない。


 しかし、騎士は神妙な顔で続ける。


「捜査に協力していただきたいのですが、今の話に心当たりはありませんか?」

「な、ないけど……にゃー、みんな、詐欺に協力なんてしないよ」

「もしかしたら、詐欺と知らず、いつの間にか詐欺行為に加担してしまっていたのかもしれません」

「そんなことが……タニアとかならありえるかも?」


 カナデの中で、タニア=頭がちょっと……=騙されやすい、という図式ができあがる。


「そ、その場合は、罪に問われたり……?」

「そうですね。このままだと、厳しい展開になるかもしれません」

「そ、そんな……」

「すでに、被害者の方は弁護士を雇い、訴訟の準備を進めていまして……このままだと、まず間違いなく裁判になるでしょう」

「裁判!?」


 ショッキングなワードに、カナデは、再び尻尾を立てた。


 嫌な汗が流れる。

 心臓がばくばくと鳴る。


 逮捕されるタニア、獄中の再会、出所した時はすでに……

 嫌な想像が頭の中を巡る。


「ただ、訴訟を回避する方法はあります」

「本当!?」

「はい。そのためには、示談金を支払うことです。被害者は、示談金さえもらえるのなら……と、交渉に応じる姿勢を見せています」

「で、でも、やってもいない事件でお金を払うなんて……」

「一時的なものです。まずは、訴訟を取り下げてもらうことを考えましょう。後で誤解が解ければ、お金も戻ってきますから」

「な、なるほど……!」


 それならば問題はない。

 というか、最善の考えのような気がしてきた。


 そんなことを考えるカナデだけど、そういう方に思考が誘導されていることにまったく気づいていない。


「い、いくら必要なの?」

「金貨300枚ですが、用意できますか?」

「えっと、レインに……パーティーのリーダーに聞いてみないと」

「事は一刻を争います。相談をしている間に、訴訟が本格的にスタートしてしまうかもしれず、そうなればアウトです。急いでください」

「わ、わかったよ。それじゃあ、すぐにお金を引き出して……」

「吹っ飛びなさいっ!!!!!」

「ぎゃああああああぁ!!!?!?!?!?」


 突然、超高熱の閃光が駆け抜けて、男を空の彼方まで吹き飛ばした。


 カナデは驚いて、またも尻尾をピーンと立ててしまう。

 ぶわっと毛も膨らんでいた。


「え、えええぇ!? い、いったいなにが……って、タニア!? どうしてここに……今、裁判の途中なんじゃあ……?」

「あんたねえ……」


 タニアは、とても頭が痛い、という感じでため息をこぼした。


「気づきなさいよ。今の、詐欺よ」

「えぇ!? さ、詐欺だったの!?」

「どこからどう見ても詐欺でしょ。こういう詐欺がありますよ、って、前に騎士団から注意されたの忘れた?」

「そ、そういえばそんな話が……」

「まったく、騙されやすいんだから。あたしがたまたま戻って来なかったら、どうなっていたことか」

「うぅ……ごめんね? でも、なんかすごく話がリアルで、あと、いきなり衝撃的な話を聞かされたから、パニックになったというか、まともにものを考えられなくて……」

「それが連中の常套手段よ。今度、怪しい騎士が来た時は、問答無用で殴り飛ばしてやりなさい!」

「う、うん、わかった!」


 ……こうして、カナデは、ギリギリのところで詐欺被害を回避することができた。


 詐欺は巧妙だ。

 日々、あの手この手で被害者を増やしていく。


 騙されないように、しっかりと知識を仕入れて。

 そして、突然の展開にも驚かないように、できる限り落ち着いてものを考えるようにしよう!




――――――――――




 ……後日談。


「すみません、巡回をしている騎士ですが、最近、詐欺が横行しているため、その注意喚起を……」

「うにゃあああああ、敵っ!!!」

「ぎゃあああああーーーーー!!!?」


 カナデが本物の騎士まで殴り飛ばしてしまい、本当に逮捕されかけてしまうのだけど、それはまた別の話。


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― 新着の感想 ―
カナデちゃぁぁぁぁぁぁん!!?? 流石に本物と偽物の区別をつかないとダメだって! ……現代の日本に移住したらオレオレ詐欺とか、フィッシング詐欺とか……後、【規制音】な動画を見てないのに会員登録を3日…
ソラ、何気にメタイのは初めてではなかろうか ああ、最後の名もなき騎士、可哀想に・・強いて言えば運がなかったのか・・
はい、脳筋猫と脳筋ドラゴンはソラの料理フルコースの刑よー
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