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詩「カエルの歌」

作者: 有原悠二

カエル。

それは地雷を埋める人。


  カエルは、帰る。

  変えていく、蛙。


(足 足

   足  足

      足   足 ?


川のはじまりを確かめたくて、空

  まるで大海原のような

テクテクと

歩いていく

蛙と一緒に

カエル、

手を繋ぎながら

目玉をギョロギョロと

左右に動かしながら

そのとき。


  ――閃光。

  昔見た戦争映画の、嘘つきだったアメリ

  カ兵の、あの大げさな爆発――



 鼓膜が春の彼方に吹き飛んで、夢、「ねえ、

ねえ」なにも聞こえない。なにも、目玉、冬

の後ろ、手の届かない民主主義、きみのこと

が好きだったと、後悔しながら死。ぬかもし

れないこの人生を、誰が責める? 後悔した

かったと、後悔してきたから、だからぼくは、

生まれ変わったんだと思うのだけど、ねえ、

 蛙さん、聞こえてますか?



  川の終わり。そこに、

どこに?

  きみの足があった場所だよ、

夏の空?

  きっと、そこら辺さ、血、

悲しい?

  秋の土のようにね、


抱きしめて欲しかった

抱きしめて欲しかった

抱きしめて欲しかった


 足 手

 

  手


    手手



――カエルになったら、また会えるよ。「本当

かな」彼女は、夢中だった。ぼくの顔。――

月の灯りが反射してまるで青だ。「なんの青だ

と思う」そんなことは知らないよ。ぼくは、

この瞬間、青春だったのでした。――わたし

は、あなたに会えて、幸せよ。「青い言葉のよ

うだね」魔法。魔法。そして、大きな穴――。



カエル。

それは地雷を埋める人。


  カエルは、帰る。

  変えていく、蛙

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