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誘ってみた清彦☆

☆柔らかい図書館☆二人はのびのび学習する♪


・柔らかな春の光が降り注ぐ中この日も清彦はのんびり自転車を漕いだ。館内に入ると夏美も文庫本を集めた一角で本を選んでいた。清彦は、夏美☆……と言って右手を挙げて小さく挨拶すると夏美は笑って、おはよ☆……と小さく言って、


「今日は何借りる? 私は人権の本を読もうかな?って思ってる。清彦は?」


 清彦はうむむ……と一瞬何を選ぼうか真剣に一角に集まった文庫本の背表紙を眺めたが気が変わりこの前夏美が借りた本を手にすることにした。清彦は短歌の書き方の本を選んだ。


「自分はこの前夏美が借りた本を読んでみる☆やっぱり国語の成績も上げたいし夏美がどんな本を読んだのか実際に見てみたいし」


 夏美は、そっか……と小さく言うと片手で人権の本を選びアクリルで区切られたテーブル席へ向かった。清彦は後について行き二人は席に着いた。早速読んでみることにした。


 『万葉集』が編纂された年は8世紀半ばらしかった。1300年の長い歴史が短歌=和歌・やまと歌にはあるらしい。音楽や詩を人間が書き始めたのはいつ頃からなのだろう? シルクロードが出来ていた時代に最早すでに楽器のようなものは出来上がっていたらしいが人間の脳は書き言葉=文字として記録に残せなかった時代には、人類の文明は5000年進化せずダラダラと日常の繰り返しをしていたらしい。


 進化しなかった5000年の時代すでに人間の脳は現代人と変わりないほどの脳の容量を持っていたそうだ。……書き言葉として記録に残ること、これが出来なかったら学問や学術も全然発展しなかっただろうし、文字が出来上がる前段階の人間はきっと眠っているような怠い眼で日常を繰り返す何の面白みもない人間が主流だったんだろうな……と清彦は思った。


 読み進めていくと短歌の簡単な書き方の説明をしている章もあった。楽しいことや嬉しかったことを短歌にすると簡単に作ることが出来るそうだ。新聞記事や小説の内容などを短く短歌にする方法や過ぎていく季節の中で感じるセンチメントな気分を短歌にする方法などが書かれていた。


 現代短歌についても色々と書かれていて(この言葉の響きは何か柔らかいな)と感じてほっこりしたり短歌と一緒に書かれていた著者の解説を読んで鮮やかな色をつける日常の風景を言葉にする短歌の世界は魅力的だな……と感じて古代から連綿と続く日本文化の長い歴史を思うと伝統を大切にする日本人が多いんだな、とも感じた。


 端末が振動し一時間経ちこの日の読書会は終わった。公園のベンチに座り感想を言い合った。夏美の人権の本どうだった……と清彦が訊くと夏美は、


「何かアジアに暮らす女性とか子供とか可哀想だった。ちょっと立場が上の人が気にかけて大切に面倒見るだけでもその地域にいる人の暮らしとか楽になるはずなのに誰も面倒見ようとしないから良くなりようがなくて……。何か東洋人の人って自分とか家族以外に関心があることが殆どないのかも知れないって思った。人権の声を上げるのは大事だと思った。清彦は?」


清彦は今日読んだ短歌の本に思いを巡らしてしばらく沈黙して言った。


「うーん、夏美が言っていたように現代短歌の感性は柔らかくて新鮮で鮮やかだと思った。短歌の作り方についての詳しい方法も書かれていて実際にやってみたいな☆って思った。お公家さんって言うか昔の人って普段から綺麗な美しい言葉を使っていればrealで問題ある出来事が起こってこないって思ってたみたいで日本人はもしかしたら昔から危機意識の持ちようのない民族だったのかな?とも思った」


 二人は春の暖かな日差しと穏やかな明るい朝の空気を感じながら、ふーん……とお互いの言葉から感じられる読書体験の意味を思いしばらく沈黙した。心地よい沈黙が流れた。……じゃっ今日も食べようか☆と清彦は今回はチョコチップの入ったクッキーを持ってきた。さっそく包装紙を破って二人で食べた。もぐもぐと咀嚼すると柔らかいチョコチップとサクッとしたクッキーが合わさって甘くて心地良い食感が広がった。


 夏美の柔らかな明るい笑顔を見ていると清彦はこっちまで嬉しい気持ちになって(夏美と一緒に来て正解だったな。春の空気と光、心地良いな☆)と思い市立図書館に来たことを感謝するのだった。


 清彦は夏美ともっと仲良くしたいな……と思いちょっと突っ込んだことを言ってみた。


「夏美、良かったら今度から図書館行った後一緒に自分のウチで勉強しない?読書後気持ちが新鮮な内に勉強したらはかどるかなって思って☆いいよね♪」


 夏美は柔らかく優しく笑うと、いいよ☆!……元気に明るく返事をした。二人の時間は親密さを増しもっと具体的に強く勉強に対して広がってゆくのだった★


……(続く)

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