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春の日の柔らかい雨☆


・この日は天気が悪く静かに雨が降っていた。あまり乗ったことがなかったが今回はバスに乗っていくことにした。親にバスで図書館に行くと告げるとバス賃として千円札を渡してくれた。おつりは返して、と言うことだった。


 バスが最寄りのバス停に何時に着くか見当がつかなかったからとりあえず9時のバスに間に合わせるため8時50分には家を出た。しとしとと柔らかな春の小雨の降る中家族兼用の紺色の割と頑丈なフレームの傘を差してドラックストア近くのバス停を目指した。時刻表を確認すると約20分ほど待たねばならないらしかった。


 待ち時間までの間ドラックストア入り口側の雨よけに入って英語の勉強をした。自家製の単語帳をめくって英単語を覚えた。清彦はちょっと変わった工夫を英語学習に取り入れていて小説投稿サイトの他人様の小説をコピー&ペーストして翻訳サイトに貼り付け英語訳して英語を学習することへのハードルを下げ=英単語や英文法を覚えることの抵抗を少なくする☆たものを手書きで単語帳に写し書き英語そのものにもっと親しみ英語を勉強するのを楽しくする工夫をしていた。


 実際の勉強には直結しないがそもそも語学以前に〈言葉を覚えること=ユニバーサルグラマー〉って英語の勉強みたいにチマチマとスペルの綴りを確認して何回も書いて覚える必要性ってあるのだろうか?あと前置詞とか動詞とか副詞とか英単語に属性がついたりするがそもそも自分たち学生はその違いについてハッキリと認識できるほど英語を使いこなさずに大人になったり英語の先生になったりしているのではないだろうか?他にも英語圏の文化的背景の違いについて説明できる人間を清彦は知らなかった。いろんなことを考えると回り道した方が正解なような気がしていた。


 端末で時間を測り3分前にバス停の側まで行った。傘を差しながら勉強を続けた。ネイティブと普通に会話できる日本人の中には好きな日本人の作家の翻訳版を熟読し英語のスキルを伸ばす強者もいるらしい。そこまでは出来ないが清彦も自分なりに下手の横好きでゆっくり学習しようと思っていた。熟読しているとバスが来て扉が開きバスの券を取り後ろの座席に座ろうと移動すると夏美が座っていた。話をしようと思い馴れ馴れしいかも知れないけど横に座った。


「バスで来たんだ。近いかも知れないけど話そ。今日は何借りるの?」


 心なしか緊張して夏美に近づいた。夏美はふわっと笑って「おはよう」と挨拶してちょっと戸惑ったような恥ずかしがるような顔をしたが、


「今日はアメリカ史の本を読んでみようかなぁって思ってる。学校の勉強とは関係ないけど何かアメリカがどんな国なのかって映画とかニュースだけじゃハッキリとは分からない気がしてそこの本当のところってどうなんだろう?って思って。清彦は?」


 清彦は何も考えずにむーっと唸って、


「ちょっと戦国時代については興味出てきて、いろんな武将がいたらしいんだけどそれぞれに特徴があって、前田の殿様の残した文献は一向一揆の後に統治できたから保存状態が良くて今でも大切にされてるんだって。この地域って武将同士の乱ってなかったんだって」


 夏美はへぇー……と言って感心したような顔をしてニコニコと柔らかく笑うと「楽しみだね☆読書楽しいね♪」と言って前を向いて前方の広いガラス窓の景色を眺めた。清彦も夏美とちょっと話せて満足し駅までの時間を無言で過ごした。バスが停まって両替機で千円を百円と五十円と十円に両替し支払った。「ありがとう」と車掌に伝えてバスから降りた。しとしとと雨の降る春のアスファルトを二人はゆっくり図書館まで歩いた。


……(続く)

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