僕らはぼくらの影を食べて生きている!
2XXX年。
僕ら人間と影が2つに分かれてしまう。
影たちと僕ら人間が分かれてから直ぐは、影も人間に寄り添い
支え合ってくれていたのだが、そのうち僕ら人間が影を捕まえ
て食べてしまった。
その味は、【珍味】らしく大変美味しかったと聞いている。
それから、人間たちは影を見つけては、食べることにしたのだ。
影たちは、人間に怯え逃げ回るようになる。
影の世界では、人間社会のように自由が利かない!
行ける場所も制限されていた。
影がデキない場所へは行けないし。
人工的に、人間が影ができないような場所まで作ってしまう。
影は、人間に制限されてしまったのだ。
逃げ惑う影たちは、細やかな抵抗として人間に見つからないように
隠れるしかなかった。
汚い心を持たない影たちは、それでも人間に危害を加える事はなかった。
ただひたすら、人間のいない場所で静かに生活をしたいだけだ。
・・・でも? そんな矢先に。
ぼくの友達のマーチンが人間に捕まった。
かれは、ぼくの幼馴染で親友なんだ!
人間のマーカスは、人間のマーチンの幼馴染で親友でもあるんだよ。
きっと、マーカスがマーチンの影を助けてくれるとぼくは信じている。
『・・・ごめん、遅くなった。』
『いいんだ! それよりマーカス! 影のマーチンが人間に捕まった
んだよ! 助けてくれないか?』
『・・・えぇ!? マーチンが!?』
『ううん、マーチンの影が食べられたら人間のマーチンも悲しむ!
僕もマーチンと一緒に影のマーチンを助けるよ!』
『うん! 凄く助かるよ、ありがとうマーカス!』
『何を言ってるんだ! 君はぼくだよ! 助けるのは当たり前のことだ!』
『うん!』
・・・ぼくは、嬉しくてマーカスの前で泣いてしまった。
マーカスも、ぼくが嬉し泣きしている姿を見て励ましてくれる。
ぼくには、人間のマーカスと切っても切れない絆があるんだ!
*
そして、ぼくと人間のマーカスとマーチンを連れて影のマーチンを
助ける日が来た。
影を食べるまでに、1週間熟成させてから食べると美味しいらしい。
影専用の牢屋に入れて、光を一切浴びさせないようにするのだ!
そうすると? 食べる時になんとも熟成された深い味わいを感じる。
【珍味】とは、そこからきているのだろう。
早速、ぼくと人間マーカスとマーチンで影のマーチンを助ける。
影のマーチンがいる牢屋まで、沢山の人間と出くわさなくてはいけない!
それには、影のぼくだけじゃどうする事も出来なかったんだ。
そこに人間のマーカスとマーチンがいてくれるおかげで。
牢屋の中に忍ぶことができた。
『いいか、影のマーカス! よく聞くだ! 必ず影のマーチンは助ける!
だから、君も僕達に協力するんだよ!』
『うん! 分かってる!』
『俺だって、影のマーチンを必ず助けたいんだ!』
『分かってるよマーチン!』
『3人で、協力すれば必ず助けられる!』
【うん!】
・・・先ずは、人間のマーチンが看守に変装して中に入り込む。
それから、影のマーチンの今いる場所と鍵を手に入れる。
そして、ぼくが影のマーチンを連れて逃げる。
この作戦は、無事に成功した。
看守といっても、雇われ看守でずっと寝てばかりだし。
影のマーチンがいる牢屋の場所も簡単に見つかり鍵を開けて
助け出した。
『マーチン!』
『みんな!』
『よかった、無事で!』
『人間のマーチン!』
『俺らはふたりで1つだ!』
『うん!』
『影のマーカス!』
『うん?』
『僕らと一緒に暮らさないか?』
『えぇ!?』
『人間は、悪い奴ばかりじゃないんだ!』
『俺もそう思う! 一緒に暮らそう、マーチン!』
『うん!』
『・・・ぼくは、一緒には暮らせない。』
『どうして?』
『仲間がいるんだ!』
『そうか! でも、いつか?』
『いつか。』
『人間と影がまた共存できるそのときまで。』
『うん!』
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