6月17日 砂漠化および干ばつと闘う国際デー
ここはとある郊外のコンビニ。
「ほらほら見てくださいよ、高橋さん!このギチギチに詰められた割り箸を!」
「取りづらいから戻しとけ。けどまぁ、この時間は備品の補充ぐらいしかやることないしな」
「そうなんすよ。おかげでプラスチックスプーンもギチギチになっちゃいましたよ」
「それはお前のさじ加減だろ」
「おっ、スプーンだけに、っすか!いやー、高橋さんは面白いっすね!爆笑っすよ、爆笑」
「恥ずかしいからやめろ!俺が悪かったから」
「しっかしほんとに暇っすね。何かやることないっすか?」
「そうだな、店長のおすすめコーナーでも見てみたらどうだ?全商品入れ替えたって言ってたぞ」
「おっ、マジっすか。ちょっと見てみます」
「今日は俺もまだ見てないんだよな。何がある?」
「…ゴルゴ13が全巻ならんでるっす…コーナー全部にぎっしりと…」
「いつからここは本屋になったんだ…」
「堂々と漫画を読むわけにもいかないっすよね。そうだ、高橋さん。お得意の記念日を教えてくださいよ」
「なんだ、お得意のって…まあいいや。今日は砂漠化および干ばつと闘う国際デーだな」
「え、えっ、なんですって」
「砂漠化および干ばつと闘う国際デーだよ。1994年のこの日に国連砂漠化対処条約が採択されたんだ。その翌年から砂漠化防止をみんなで頑張ろうってのを再認識する日として制定されたそうだ」
「パス」
「パスすんな」
「だってなんで暇つぶしにそんなマジメな話しなきゃならないんすか〜 それにこんなコンビニのバイト2人で話しても何の意味もないじゃないっすか」
「まあ、世界規模の話だしな。でも俺らが集まって世界ができてるんだから意味ないことはないんじゃないか?千里の道も一歩からってやつだ」
「た、高橋さん…ぼく、感動しました!そうっすよね!ぼくらが世界を作ってるんすよね!地球のことをぼくが考えなくて誰が考えるんすか!」
「そ、そうか」
「いやー、見直しましたよ、高橋さん!記念日に詳しいただのおっさんだとばかり思ってたっす!」
「失礼過ぎて逆に笑えてくるわ。じゃあ砂漠化防止について考えてみるか」
「そうっすね!砂漠化かぁ…えーっと…うーん…何を考えたらいいんすかね?」
「そうだなぁ…まずは砂漠化の原因から考えると対処方法が見えてくるんじゃないか?」
「なるほど!原因というと…森林伐採とかっすか?」
「放牧のしすぎとかもいわれるな。人的要因ってやつか。あとは気候的要因かな」
「気候はどうしようもなくないっすか?」
「どうしようもないことが多いけど、人の活動による異常気象とかあれば防げるところもあるかもな」
「なるほど」
「砂漠化防止の方法だけど…森林伐採やめようとかいうのは簡単だけど、やってる人たちは生活かかってるしなぁ」
「それに個人ではどうしようもないっすよ」
「植林とかやってる企業とか団体を応援するってのは個人でもできそうだな」
「それはいいっすね!あとで調べてみるっす」
「しかし、知識が無さすぎてふわっとした話しかできんな…それこそ貧困問題とかも絡みそうだから世界情勢も知っとかないとな」
「なにか楽しい世界情勢の勉強の仕方はないんすか?漫画とか」
「そんな漫画ないだろ…いや、あったわ。ゴルゴ13だ」
「店長…あなたはここまで予見して…」
「いや、それはないだろ」
「じゃあ早速全巻買って勉強するんでお先に失礼するっす!」
「帰るな。仕事しろ」