4月6日 マシュマロの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。マシュマロはそのまま食べるのが好き。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。マシュマロトーストが好き。
ここはとある郊外のコンビニ。
「うーん…」
「どうした?何か悩み事?」
「いえ…ここ最近何か大切なことを忘れてるような気がするんすよね…」
「大切なことねぇ。なんだろうな。バイト関係のことか?」
「いや、違うような…高橋さんにも関連することのような気がするんすけど…」
「俺に?うーん…あっ、俺の家に例のピザカッターをまた置き忘れてることかな?」
「ああ、ピザ切丸はあれはわざと置いて帰ってるんで大丈夫っす」
「いや、俺が大丈夫じゃないんだが…つーかいろいろと持って帰れよ。俺の家にあるものの半分ぐらい君の持ち物になってんだけど」
「ふっ、ぼくの本気はこんなものじゃないっすよ!」
「そんな本気は出さなくていいから。せめて片付けろ。でもそのことじゃないとすると、なんのことだろ?」
「モヤモヤするんすよねー…何か甘いものを食べたら思い出せるような気がします」
「それただ食べたいだけだろ…甘いものか…店長のおすすめコーナーに正露丸糖衣Aが置いてあるけど」
「いや外側はたしかに少し甘いですけど…さすがにそれを食べる気にはならないっすよ…」
「まあそれもそうか。あとは…そうだ、マシュマロ食べるか?ちょうど今日食べようと思って買ってきたのがあるんだ」
「おっ!いいっすね!でも高橋さんがそういうの買うの珍しいっすね。これはもしかしなくても記念日絡みっすね!」
「そうだね。今日はマシュマロの日だ。菓子類の製造販売を手がける株式会社エイワってとこが制定した記念日で、日付は『0406』で『マシュマロ』って読む語呂合わせからきてるそうだ」
「ふむふむ。でもマシュマロって美味しいっすよねー ちょっと手を加えてもさらに美味しくなりますし」
「手を加える?たとえば?」
「直火でちょっとあぶるってのも美味しいですし、ココアに入れてもいいっすね。あとはお菓子作りの材料として使うのもありっすよ!」
「へー、そういう使い方もあるのか。基本そのまま食べるからなー」
「でも意外と食べる機会ないかもしれないっす。なんか思い立たないと買わないような」
「たしかにそうかもな。それもあってこの記念日があるのはありがたいかも。そうじゃなければホワイトデーのときぐらいかな」
「…はっ!ホワイトデーだ!すっかり忘れてた!今年のホワイトデー、何も貰ってないっすよ!どういうことっすか⁉︎」
「へっ?いや、つーか俺、バレンタインデーに何も貰ってないし…」
「…あっ!そういえばそれ以上に衝撃的なことがあって渡すのを忘れてたっす…む、むしろぼくが返さないといけなかったのでは…」
「あー…まあ別にいいけど…」
「す、すみません…えーと、せ、正露丸をプレゼントしましょうか…?」
「いや、それはいいわ…」
遅くなってしまい申し訳ありません…