3月31日 山菜の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。ふきのとうが好き。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。コシアブラが好き。
ここはとある郊外のコンビニ。
「高橋さん!3月ももう終わりですよ!」
「明日から4月かぁ。3月もあっという間だったな」
「早いっすよねー どうします?とりあえず踊ります?」
「なんでだよ…どういう流れだ」
「だって3月も終わるっていうのに春っぽいことをあんまりできてないんすよ!これはもう踊るしかないでしょ!」
「そんなことはないと思うが…春っぽいことっていったらこの前花見に行ったじゃない」
「そうでした!あれは楽しかったっすね!他の人はあんまり都合が合わなくて、結局2人でしたけどむしろそれがいい!って感じでしたね」
「そうだね。綺麗だったなぁ、さくら」
「ふふふ、ぼくの方が綺麗だったでしょ!」
「ああ、そうだな。田中くんは綺麗だった」
「お、おぅ…///即答されるとさすがに照れますね…///」
「桜が散る前にもう一度行きたいねぇ」
「そうっすね!でも春ってそれだけじゃないじゃないっすか」
「春ねぇ…店長のおすすめコーナーに春巻が売ってるけど」
「たしかに美味しそうですけど…春巻ってもうすでにあんまり季節感なくないっすか?」
「まあそうかもな。春っぽい食べ物となると…そういや今日は山菜の日だな」
「おっ!山菜は春って感じがしますね!今日なのは…語呂合わせっすか?」
「そうだね。『3 31』の語呂合わせだね。山形県西村山郡西川町にある山菜料理の出羽屋ってとこが制定した記念日だ」
「なるほど。でも山菜はいいっすね!ちょっと下拵えに手間がかかりますけど」
「そうなんだ。自分では調理したことないや。アクが多いとかだっけ?」
「そうっすね。まあそれも山菜の良さっすけど。美味しいっすよねー、炒め物もいいし、何より天ぷらが美味しいっす!」
「話してると食べたくなってきたな。今度山菜採りに行くか」
「た、高橋さんからそんなアクティブな提案が出るなんて…明日は星が降るに違いないっすね…」
「なんだそのロマンチックで失礼な言い方は…」
「でもぜひ行きましょう!この近くで山菜が採れるとこってあるんすか?」
「ちょっと離れたところだけど、店長が持ってる山があったはず。前に一度山菜採りをさせてもらったことがあるよ」
「店長って山も持ってるんすか…もしかして店長ってお金持ちなんすか?」
「まあ割と金持ちではあると思うけど、山は代々受け継いだものって言ってたよ。山菜を採ったり、木材をとったり、悪霊を封印したりするのに使うらしい」
「…それほんとに踏み入っていい山ですか…?」