3月30日 マフィアの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。マフィアといえばアルカポネ。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。マフィアといえばパッショーネ。
ここはとある郊外のコンビニ。
「何か悪いことがしたいんすよね」
「しれっとすごいことカミングアウトしたな…」
「ほら、やっぱり『やったら駄目』っていわれることってやりたくなるじゃないっすか」
「まあ気持ちはわからんでもないが…具体的にはどんなことがやりたいんだ?」
「そうっすねー 可愛いイタズラ系のやつっすかね。目薬の中身をラー油に換えておくとか」
「かなりエグいだろ、それ…そういや店長のおすすめコーナーにイタズラグッズが置いてあったな」
「おっ!今日のぼくにもってこいじゃないっすか!どれどれ…このクッションはなんすかね?」
「これはブーブークッションだな。上から乗ると音が鳴るやつ」
「ああ、椅子に仕込んだりするやつっすね。…値札のとこに『最強』って書いてあるんすけど…」
「ここに対応表があるぞ。えーと、最強は『スタングレネード並み』だそうだ」
「もうそれ兵器じゃないっすか…もう少し可愛いのがいいっす」
「うーん…あ、これとかどうだ?撃つと花が飛び出す拳銃」
「これはいいっすね!『命とったるー‼︎』って感じで驚かせますね!」
「可愛さ皆無なんだが…鉄砲玉かよ…」
「そんな人をヤクザみたいに言わないでくださいよ!ジャパニーズマフィアと言ってください」
「似たようなもんじゃねーか」
「全然違いますよ!マフィアはマフィンに似てて可愛いじゃないっすか!」
「それ言葉の響きだけだろ…」
「でも正直マフィアってよくわかんないっす。あれはどういう人たちの集まりなんすか?」
「元々はイタリアのシチリア島を起源とする組織犯罪集団のことを指すんだ。一部はアメリカにも渡って勢力拡大したらしい」
「ほうほう、イタリアの。でもいろんな国でマフィアって聞く気がするんすけど」
「犯罪組織の代名詞みたいに使われることもあるみたいだな。それこそ君が言ったジャパニーズマフィアなんてのはその使い方だね」
「なるほどー でも高橋さん、マフィアに詳しいっすね。もしかしてギャングスターを目指してたりするんすか?」
「DIOの息子じゃあるまいし…今日がマフィアの日だからな。それで前に調べたんだよ」
「マフィアの日なんてのがあるんすか…えっ、みんなでマフィアを目指したりする日ですか?」
「そんなわけないだろ…1282年のこの日にシチリア島で地元の女性がフランス兵に暴行されて、それに怒った住民たちがフランス兵を殺害して抗議の声を上げたっていう事件が起こったんだよ。シチリアの晩鐘事件って呼ばれる出来事なんだけど、その時のスローガンみたいなのの頭文字がマフィアの語源って説があるんだ」
「へぇー!それは興味深い話っすね!」
「まあそのスローガンは創作じゃないかって言われてるけどな。事件があったのはほんとだけど」
「えぇ…」
「でもあんまり悪いことはするなよ。田中くんなら分別はわきまえてると思うけどさ」
「大丈夫っすよ!迷惑かけるのは高橋さんにだけっすから!」
「それならいいけど…いや、よくないわ」
当日中に間に合わず申し訳ありません…