3月27日 さくらの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。さくらといえばソメイヨシノ。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。さくらといえばカードキャプター。
ここはとある郊外のコンビニ。
「店長のおすすめコーナーでお花見弁当の注文受付やってるじゃないっすか?これって去年もありましたっけ?」
「ああ。毎年恒例でやってるよ。超大人数じゃなければ前日予約で大丈夫なのが好評なんだ」
「へー、それはたしかに便利っすね。店長が作るんすか?」
「奥さんと合作らしい。美味すぎて花より団子状態になってしまうのが欠点と言われてる」
「そんなに美味しいんすか…それは食べてみたいっすね…そうだ!今度お花見行きましょうよ!風流を愛し、風流に愛されるぼくとしてはお花見は必修科目なんで!」
「お弁当目当てな感じもするけど…でも花見はいいね。いつやるかな?」
「そうっすね〜 明日か明日、それか明日もいいっすね!」
「選択肢0なんだけど…そういや今日はさくらの日って記念日だったな」
「マジっすか⁉︎じゃあこれはもう今日しかないっすね!」
「いや、今日はもう無理だろ…あと1時間ぐらいで終わっちゃうし」
「諦めてどうするんすか!諦めたらそこで試合終了だって高橋さん、言ってたじゃないっすか!」
「それ言ったの俺じゃなくて安西先生だろ…というより今日とか明日だとおすすめコーナーの弁当が間に合わないけど大丈夫か?」
「よし!時には諦めも肝心っすね!またしっかり計画を練りましょう!」
「…まあいいけどさ」
「ところでなんで今日はさくらの日なんすか?」
「日本さくらの会ってところが制定した記念日なんだけど、七十二侯っていう昔の暦で今の時期が『桜始開』って期間にあたるんだ。その中で『桜咲く』の『咲く』から『39』、3×9=27ってことで27日になったらしい」
「ふむふむ。あれ?昔の暦ってなんか別のがなかったでしたっけ?あの…24時間働けますか?みたいなやつ」
「栄養剤のキャッチコピーじゃないんだから…二十四節気のことかな。それをさらに3等分にしたのが七十二侯だよ」
「なるほどー でも昔から桜が咲くことは季節を代表する行事だったんすねぇ。なんたって暦の名前になるくらいですもん」
「そうだね。人を惹きつける魅力があるんだろうな。なんだかんだ桜が咲いてると足を止めたくなるもんな」
「わかります!うん、やっぱりお花見をするしかないっすね、これは!どうせだったらみんな呼んで、大規模にやっちゃいますか!」
「それも楽しいかもな。日程調整してみるか」
「ぜひやりましょう!あっ、お花見弁当は100人前で足りますかね?」
「待て、どんな規模でやるつもりなんだ」