3月25日 ドラマチック・デー
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。食パンをくわえて走る女子高生を見たことがある。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。ブザービーターでダンクシュートを決め、逆転勝ちしたことがある。
武 高橋家に住み着く男性の幽霊。
チョコ コンビニの常連の黒猫。とても賢い。
ここはとある郊外のコンビニ。
「何か非日常的な体験がしたいっす」
「非日常的な体験?たとえばどんな?」
「そうっすねー なんかこう普段味わえないような刺激的なことがいいっすね!ほら、ぼくって穏やかな日常だけじゃ物足りない、狂戦士的なとこがあるじゃないっすか」
「いや、そんな皆さんご存知の通り、みたいな言い方をされても反応に困るんだが…それにしても刺激的なことねぇ…店長のおすすめコーナーで春のデスソース特集やってるけど、買ってみるか?」
「激辛系の刺激はあんまり募集してないっすね…なんかもっとドキドキワクワクするようなことがいいっす」
「ドキドキワクワクか…今日はドラマチック・デーではあるが…」
「ドラマチック・デーっすか!それはぼくの求める記念日かもしれないっすね!どんなドラマチックなことがあった日なんすか?」
「1956年のこの日、巨人中日戦で、巨人の樋笠一夫が史上初の代打満塁逆転サヨナラホームランを打ったそうだ。それに由来して作られた日なんだよ」
「…野球っすか…まあたしかにスポーツはドラマチックなシーンが多いですけど…」
「田中くんはスポーツやってて何かドラマチックなことあった?」
「そうっすねー 高校時代に駅伝のアンカーだったんですけど、26人抜きして最後の1人に1秒差で追いつけずに2位だったことがありますねー」
「すげぇな…それだけでドラマが一つ作れそうだ」
「あのときは悔しかったっすね。でもスポーツでのドラマってガチでやってるから生まれるものじゃないっすか。なかなか味わえるものじゃないっすよね」
「まあたしかにそうだな。でもだからといって日常生活でドラマチックなことに出会えるかというと難しいよな」
「そうっすよね…はぁ…」
「うーん、ドラマチックってまではいかないが、非日常を味わうならテーマパークとか遊園地に遊びにいくってのはどうだ?」
「それはいいっすね!早速明日行きましょう!いやー、楽しみだなー!」
「爆速だな…まあいいけど。早速予定でもたてるか」
「了解っす!」
「まあ非日常感なんてそうそう味わえるものじゃないし、遊園地で済むなら安いものか…ん?」
ユーガッタメール!
「武さんからメールだ。なになに…『アンパンカッテキテ』か…帰りに忘れないようにしなきゃな」
「…」
「あっ、チョコさんも来てる。いらっしゃいませ」
ニャーン
「はい、わかりました。ちょっと待ってくださいね」
「…この店の中が非日常の巣窟かもしれないっす…」
25日に間に合いませんでした…申し訳ありません…




