3月24日 恩師の日(「仰げば尊し」の日)
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。卒業式では仰げば尊しを歌った。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。卒業式では3月9日を歌った。
ここはとある郊外のコンビニ。
「暇っすね…」
「暇だな…」
「…よし!ここはフリートークのコーナーをやるしかないっすね!」
「なんだ、コーナーって…要するに雑談して時間をつぶそうってことだろ?」
「そういうことっすね!さあどうぞ!」
「『さあどうぞ』で雑談始めるのってちょっと難しいな…まあいつも通り記念日の話でもするか」
「おっ!出ましたね!高橋さんの十八番が!いやもう三十六番ぐらいあるかもしれないっすね!」
「いや、そんなふうに数字が増えるものではないと思うが…まあいいや。えっと、今日は恩師の日(「仰げば尊し」の日)だね」
「それは…カッコの中も正式名称なんすか?」
「ああ。京都府八幡市の山中宗一さんが制定した記念日で、恩師に『仰げば尊し』の歌詞のような気持ちを込めて手紙を書き、感謝の気持ちを忘れずに生きていこうって思いが込められた日だそうだ。日付は全国でこのくらいに卒業式が行われることから決まったらしい」
「ふむふむ。あっ、そういえば店長のおすすめコーナーに便箋が売ってなかったでしたっけ?早速買って手紙をしたためますか!」
「でもあれ100枚セットとかだったぞ…流石にそんなにはいらんだろ…」
「何言ってるんすか!溢れる思いの丈をぶつければそのくらい必要ですって!ところで高橋さんは恩師っていうと誰が思い浮かびます?」
「そうだな…高二のときの担任の先生かな」
「おっ!何かエピソードがあるんすか?」
「その先生から『お前は他人のために頑張りすぎだ。1日1日を大切に自分のために生きなさい。どうでもいい日なんてないんだぞ』って言われたことがあってな」
「…高橋さん、高校生のときもそんな感じだったんすね。今も似たような感じですけど…ん?あんまり変わってないってことは…別に恩師って感じじゃないっすよね?」
「いや、その言葉から1日1日を大切にするために記念日を調べ始めたんだ。だから俺が記念日大好きおじさんになったきっかけをくれた人なんだよ」
「…その先生もそんな意図で言ったんじゃないと思いますけど…」
「田中くんは恩師といえば誰なんだ?」
「そうっすねぇ〜 ロビンマスクですかね」
「また斜め上の人物が飛び出してきたな…ロビンマスクから何を学んだんだ?」
「なんと言ってもロビン戦法っすね!ぼくの行動理念といってもいいっす!」
「あー、『獲物はにがすな』とか『相手の誘いには絶対のるな』とかの」
「そうっす!『円は直線を包む』とかっすね!」
「…それ日常生活のどこで使うんだ…?」