3月21日 アジフライの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。アジフライにはソース派。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。アジフライにはタルタルソース派。
ここはとある郊外のコンビニ。
「フライヤーの商品って意外と種類がありますよね」
「そうだね。俺がバイト始めた頃に比べて、かなり多くなったな」
「そうなんすね。高橋さんがバイト始めたのって銀シャリが高級品だった頃でしたっけ?」
「戦後すぐじゃねーか。俺をいくつだとおもってんだ、君は」
「でもこれだけ種類があると食べたことないのも多いっす。何か高橋さんのおすすめってありますか?」
「そうだな…ハッシュドポテトはおすすめかな。フライヤーの商品って揚げてからどうしても時間が経っちゃうけど、うちのハッシュドポテトは時間おいても美味しいぞ」
「なるほどー でも今日はもう売り切れてますね…今から揚げるわけにもいかないし…」
「油ももう冷めちゃったしな。揚げたてで食べるならコロッケ一択かな。牛ひき肉とじゃがいものバランスがよくて、割としっかり味がついてるから何もかけなくても十分美味い」
「美味しそうっすね…今度試してみます!でも高橋さんってこの店の商品に詳しいっすよね」
「長くバイトしてると新商品とか試してみたくなるんだよ。新商品といえば一時期店長のおすすめコーナーがフライヤーにも進出してたことがあったな」
「へー、どんな商品が売ってあったんすか?」
「アイスクリームの天ぷらとかあったぞ。手間がかかりすぎるってことで短期間で無くなったけど」
「そんなものが売ってあったんすね…食べてみたかったっす」
「意外と美味しかった記憶があるな。あ、そうだ。フライヤーの商品食べるなら火曜か金曜がいいぞ」
「えっ?なんでですか?…フライデーだからとか言ったらねじ切りますよ」
「何をだよ…怖えよ…うちは月木で油の交換をするだろ?やっぱり交換したての方がうまい…気がする」
「なるほど、それは納得っす!よかったっす、血を見ることにならなくて」
「ほんとにギャグに対して厳しいな、君は…」
「そういえば今日夜勤前に何かフライヤーの商品買ってませんでした?」
「ああ。アジフライを買ったんだ」
「魚系のフライもいろんなコンビニで売られるようになりましたよねー でも珍しいっすね?高橋さんがフライヤーの商品買うの」
「まあ今日はアジフライの日だからな」
「アジフライの日?」
「うん、アジフライカンパニーの株式会社角屋食品ってとこが制定した記念日だ。日付は鯵が魚編に参と書くことから3月で、『21』で『フライ』の語呂合わせから21日になったそうだ」
「まずアジフライカンパニーってのがあることに驚くんすけど…でもアジフライって美味しいっすよね〜 チラッ チラッ」
「それ声に出して言うとこじゃないだろ…よかったら半分食べるか?」
「いいんすか⁉︎さっすが高橋さん!優しさに溢れてますね!これはもうバファリンの半分は高橋さんでできてると言っても過言じゃないっすね!」
「いや、めっちゃ過言だと思うが…そろそろ休憩時間だし、先に休憩入って食べておいていいよ。…くれぐれも半分残しておいてくれよ」
「任せてくださいよ!しっぽは残しておきますので!」
「可食部分ほぼ食べてんじゃねーか!」