3月19日 ミュージックの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。ミュージックといえばサウンドオブミュージック。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。ミュージックといえばミュージックステーション。
ここはとある郊外のコンビニ。
「バンドやってる友達がいてですね」
「ほう」
「たまにライブに誘ってくれるんすけど、やっぱカッコいいんすよねー」
「そうなんだ。…ちなみにその友達って、男?」
「…!あれ〜、高橋さん、やきもちっすか〜?」(ニヤニヤ)
「うっ…そ、それはまあ…い、いいだろ、別に!」
「えへへ!安心してください!女の子っすよ。ガールズバンド組んでるんすよ」
「そっか。(ホッ)しかしバンドか…楽器やったことがないから少し憧れるな」
「実はぼくもやったことないんすよねー そうだ!一緒に楽器始めましょうよ!そしてバンド組んで、全国ツアーをしましょう!」
「いきなり大きくでたな…でもなぁ…この歳で始めるのは大変だろうし…」
「そんなことでどうするんすか!人は歩むのをやめたときに老いていくんすよ!」
「おお…なんか含蓄の深い言葉が出てきたな…」
「ぼくの好きな歌の歌詞にこんなのがあります。『歩こう 歩こう わたしは元気』」
「その曲ってそんな深いメッセージ性のある歌だっけ…?でもそうだな。なんでも挑戦してみないとな。それにちょうど今日はミュージックの日って記念日だし」
「これは確実に天啓ですね!バンドやるしかないっすよ!でもなんで今日はミュージックの日なんすか?」
「日本音楽家ユニオンってとこが制定した記念日なんだけど、日付は『319』で『ミュージック』って読む語呂合わせからきてるらしい」
「うーん…ちょっとこじつけっぽいっすけど…まあよしとしましょう!音楽は自由なものっすからね!それで高橋さんはなんの楽器をやります?」
「何にしようかな…そういえば店長のおすすめコーナーに尺八が置いてあったな」
「いきなり奇をてらいすぎじゃないっすかね…もっとこう一般的なものから始めません?」
「そうだなぁ…そういやバンドをやるとして俺ら2人でやるのか?だいたい4人ぐらいはいるイメージなんだけど」
「そういえばそうっすね。誰か誘える人いますかね…そうだ!クリスちゃんがピアノやってたって言ってたっす!誘ってみましょう!」
「他に楽器やってた人といえば…店長の息子さんはそれこそ昔バンドでベースやってたって言ってたな」
「そちらもぜひ誘いましょう!」
「田中くんは何をやりたいんだ?」
「ぼくはギターを弾いてみたいっすね!あと歌も歌いたいっす。ボルケーノでしたっけ?」
「ボーカルだろ。なんで噴火してんだよ。しかしそれなら仮に全員参加してくれたとして、ギターアンドボーカル、ベース、キーボードが揃うわけだろ。ということは俺がやったほうがいいのは…」
「なるほど!ブブゼラっすね!」
「なんでそうなるんだよ…」