3月8日 サバの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。鯖の味噌煮が好き。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。鯖サンドが好き。
ここはとある郊外のコンビニ。
「昨日はご馳走様でした!」
「いえいえ。でもやっぱりあの店の寿司は美味しいな」
「間違いないっすね!店長がその日のうちに予約取ってくれてよかったっすね!」
「ああ。そのかわり店長のおすすめコーナーのレゴブロック作品展示の準備を手伝わされたけど…」
「えっ、そうだったんすか⁉︎そんなこととは知らずすみません…」
「いや、それがなくてもどうせ手伝わされたと思うから大丈夫。むしろただ働きにならなくてよかったよ。しかしどの作品もよくできてたな」
「すごかったっすね。あれは店長が作ったんすか?」
「そうだね。いろんな仕事とか趣味とかの息抜きに作ったらしい」
「息抜きってレベルじゃなかったっすけどね…あれは展示だけで販売はしてないんすか?」
「作品自体は売ってないみたい。レゴブロックは売ってるからまあ販促みたいなもんだな。飛ぶように売れてたぞ」
「あれを見るとたしかに自分でも作りたくなりますもんね。ぼくもお寿司の素晴らしさを讃える作品を作りたいっす」
「ほんとに寿司好きだね。まあでもこういう風に何かの折に食べるとやっぱ美味いよな」
「そうですよね!そんなわけでお魚かお寿司に関する記念日があったらどんどん教えてくださいね!」
「魚に関する記念日ねぇ…そういえば今日はサバの日だな」
「…えっ?今日ですか?」
「うん。3月8日で『3 8』の語呂合わせでな」
「なんでもっと早く教えてくれなかったんすか⁉︎せっかくのお寿司を食べるチャンスだったのに⁉︎」
「知ってたら連日食べるつもりだったのかよ…」
「うっ、お寿司を食べられたかもしれないと思うと禁断症状が…」
「…ほんとにそれ、寿司を摂取してるのか…?」
「ち ちがう これはただのビタミン剤じゃ…」
「ムスビ うそをつけっ」
「いえ、むすびじゃなくてお寿司の話っすよ」
「たまにボケにのったらこれだよ…もう2度とのらんからな」
「えー、そんなこと言わずにもっとのっていきましょうよ!サバの脂のように!」
「地味に上手いこと言うなぁ…」
「おっ!それもサバだけに、っすか?」
「いや、そんな意図は全くない」
「ところでサバの日は誰が制定したんすか?サバサバしてる人っすか?」
「いや、それ魚のサバとは関係ないだろ…えーと、大阪に本社を構える『株式会社鯖や』ってとこだ。あと、青森県八戸市もさばの日を制定してる」
「おっ、ということは真のサバの日を決める血湧き肉躍る闘いが行われるということですね!」
「行われません。まあどっちも本物ってことでいいだろ」
「ドライっすねー はっ⁉︎やっぱりサバサバしてるってことっすかね?」
「だから関係ないっての」