3月7日 さかなの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。好きな魚はサバ。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。好きな魚はマグロ。
ここはとある郊外のコンビニ。
「この前店長のお知り合いのお寿司屋さんに行ったじゃないっすか?」※11月24日参照
「ああ、行ったね」
「今度また行きませんか?」
「いいよ。でも唐突だな」
「実は昨日あの店を夢で見たんすよ。あそこほんとに美味しかったんでまた行きたいなーって思ってたんすけど、夢に出てこられると流石に我慢できないっす」
「そんなにか…じゃあまた店長に頼んで予約しておくよ」
「お願いします‼︎」
「しかし君は本当に寿司好きだねぇ」
「ええ。むしろお寿司がぼくのことを好きという説もありますよ!」
「どういう説だよ…」
「お寿司ってほら、なんか…特別感がないっすか?」
「あー、なんとなくわかる気がする」
「ですよね!もちろんお刺身とか海鮮丼とかも好きなんすけど、お寿司はなんとなくスペシャルというか…」
「すごいご馳走感があるよな。子供の頃のご馳走のイメージって寿司かステーキだったわ」
「さっすが高橋さん!わかってるじゃないっすか!よし、高橋さんも『寿司を愛でる紳士淑女の会』略して『すめしの会』への入会を許可しましょう!」
「なんだその謎の団体は…」
「これから毎日お寿司を食おうぜ!」
「毎日はいいわ。あー、でも今日食べるのはありだな。日付変わって今日はさかなの日だし」
「さかなの日…ふふふ、これは語呂合わせっすね!語呂合わせ品評会会長のぼくの目は誤魔化せませんよ!」
「また変な団体が…まあ厳密には違うんだけどな。さかなジャパンプロジェクト推進協議会ってとこが制定したんだけど、この団体が3と7のつく日に魚を食べることを推奨してるんだ。それで両方つく3月7日にしたらしい」
「そんな…でもそれなら7月3日もさかなの日のはずっす!これは誰がなんと言おうと語呂合わせに違いないっすよ!」
「そう言われても…」
「まあでもさかなの日って名目で高橋さんにお寿司を奢ってもらえますし、しょうがないから許してあげましょう!」
「勝手に奢ることにしてんじゃねぇ。まぁ、いいけどさ。それなら店長のおすすめコーナーで買ったアジの開きはまた今度食べることにするか」
「…は?『すめしの会』の会員ともあろう方が干物なんかに浮気していいと思ってるんすか⁉︎」
「えっ、そんな厳しい会なの…?店長特製の干物はマジで美味いんだけどなぁ…」
「…そうなんすか?」
「ああ。今まで食べた中で圧倒的に美味かった。田中くんの分もと思って2枚買ったけど要らなかったか…」
「そういうことなら話は別っす!ぼく、魚料理の多様性を認める会の会長もやってるんで!」
「…きみは何個の団体を兼任してるんだよ…」
「そこはほら、色んな団体を作りまくる会の会長もやってるからしょうがないんすよ」
「もう無茶苦茶だな…」