3月5日 安藤百福の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。好きなカップヌードルはしょうゆ味。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。好きなカップヌードルはシーフード。
ここはとある郊外のコンビニ。
「休憩終わりましたー 高橋さんも休憩どうぞ!」
「ああ、ありがとう」
「あれ?珍しいっすね。カップヌードル食べるんすか?」
「ああ、たまにはな。それに今日は」
「ふふふ、皆まで言わなくても大丈夫っすよ!体の半分が記念日でできた高橋さんのことっすから、今日はカップ麺に関する記念日なんでしょ?」
「なんだそれ、化け物じゃねーか…まあたしかに記念日ではあるけどさ」
「ちょっと待ってくださいね、ぼくがズバッと当ててみせますから!えーと3月5日っすよね…うーん、語呂合わせではなさそうっすね。わかりました!カップヌードルの販売開始の日でしょ⁉︎」
「残念。今日は安藤百福の日だ」
「…はっ?安藤百福?」
「ああ。安藤百福さんは日清食品の創業者だ。チキンラーメンやカップヌードルを開発した人といわれてる。この方の生誕100周年を記念して2010年に制定された記念日だな。日付は誕生日からきてるそうだ」
「ひどいっす!そんなの当たるわけないじゃないっすか!」
「いや別にクイズとして出したわけじゃないし…というより君が勝手に当てにいったんだろ?」
「…そうでしたかね?ぼく、過去には囚われないんで」
「前もそんなこといってたな…」
「でも記念日が作られるってことはそれだけすごい人ってことっすよね」
「まあそうだな。お亡くなりになったときには、ニューヨークタイムズに追悼の記事が載ったらしい」
「それはすごい…ぼくも死ぬときには新聞記事のなるぐらい偉くなりたいっすね!『巨星墜つ』とかの見出しで」
「ラオウかよ。あと、安藤百福さんのエピソードといえば健康の秘訣が有名かな」
「あー、なんか聞いたことあるような…毎日チキンラーメンを食べてたんでしたっけ?」
「そうそう。『週2回のゴルフと昼食のチキンラーメン』って答えたんだよな。96歳でお亡くなりになってるけど、亡くなる前日にも普通に仕事してたらしい」
「はー、それはすごいっすね!これはチキンラーメンを食べまくるしかないっす」
「いや、食べまくったら流石に体に悪いと思うぞ…さて、そろそろ休憩入るわ」
「あ、引き止めちゃってすみません。ごゆっくり!」
「ありがとう。お湯入れて3分か。そうだ、裏にあるタイマー使おう」
「タイマー?そんなのありましたっけ?」
「店長がおすすめコーナー用の商品として作ったんだけど、版権的にアウトだからお蔵入りになったのがあるんだよ。えーと、たしかここらへんに…あった、これだ」
「あー、ウルトラマンはたしかにアウトっすね。これは3分測れるんすか?」
「そうそう。時間が近づくとカラータイマーが点滅して、3分経つとウルトラマンの断末魔が流れる仕組みだ」
「悪趣味っすね…こっちはムスカ大佐っすね。ラピュタの」
「ああ。スイッチを入れると『3分間待ってやる』って流れて、そのあと少し経ってから『時間だ』って流れるようになってる」
「…ちょっと地味に欲しいかもしれないっす」
「まあ原作通り50秒ぐらいしかないのが玉に瑕だけどな」
「3分待ってないじゃないっすか…使い道がないんすけど…」
大変遅くなりました…