2月28日 ビスケットの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。ビスケットといえばマリー。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。ビスケットといえばビスケットサンド。
ここはとある郊外のコンビニ。
「…」
「どうした?いつになく真剣な眼をして」
「…高橋さん、ひとつ聞いてもいいですか?」
「お、おう。いいよ」
「店長のおすすめコーナーに店長の奥さんお手製のビスケットが売ってるじゃないっすか?」
「ああ、あるね。美味いんだよな、あれ」
「この前は奥さんお手製のクッキーが売ってたでしょ?」※1月31日参照
「うん」
「ビスケットとクッキーってどう違うんすか?」
「…えっ?聞きたいことってそれ?」
「そうっすよ。超重要じゃないっすか!身近で使ってる言葉が実はよく意味がわかってなかった、ってすごい恐怖じゃありません?」
「まあそう考えればそうかも」
「それこそよく見知った人だと思ってたのに、実は記念日大好き星からきた宇宙人だった!、みたいなことっすよ」
「誰のことだ、それ…まあいいや。ビスケットとクッキーだったな」
「はい。ご存知っすか?」
「日本では基本的に同じものを表すんだけど、厳密にはクッキーはビスケットの一部だな。『手作り風の外観をもつもので、原材料の中の糖分と脂肪分の合計が40%以上含まれているもの』をクッキーと表示していいって決まってるそうだ」
「はー、そうなんすか。…ん?日本では、ってことは海外では違うんすか?」
「そうだね。イギリスでは全部ビスケットっていうし、アメリカでは全部クッキーっていうらしい。特にアメリカでいう『ビスケット』は全然違うものを指すしな。ほら、ケンタッキーフライドチキンで売られてるビスケットがそうだよ」
「ああ!あの、パンとパイの間みたいなやつっすね!そういわれるとたしかにいわゆるビスケット、とは違いますねー」
「まあ語源的にはどっちも小麦粉を固めて焼いたお菓子を指すから、ざっくりいうと同じものっていってもいいのかもな」
「なるほど!勉強になりました!しかしこれだけ詳しいということは、これはクッキーの日かビスケットの日があるってことっすね?」
「その通りだ。今日、2月28日はビスケットの日だね。1855年のこの日の日付の書簡にビスケットの作り方が記載されていて、これが日本で初めて書かれたビスケットの作成法の文書ってことでこの日を記念日にしたそうだ」
「ふむふむ」
「あとビスケットの語源となったラテン語が『二度焼かれたもの』って意味らしくて、28日なのは『二度焼く』の語呂合わせでもあるらしい」
「ん?ビスケットって別に2回焼いたりしないっすよね?」
「昔は水分を飛ばして保存食にするために2回焼いてたらしい」
「はー、なるほど。でもおすすめコーナーに置かれてるのがわざわざビスケットって書いてるってことは、あれは糖分と脂肪分が少なめってことなんすかね?」
「前に聞いた時にそう言ってたぞ。カロリー控えめなんだって」
「それはいいことを聞きました!いっぱい食べても大丈夫ってことっすね!」
「いや、カロリーがないわけじゃないからね…」
「…はっ⁉︎今凄いことに気がついたかもしれないっす…」
「どうした?」
「バキに出てくるビスケット・オリバって、体脂肪率が少ないからビスケットなのかも…」
「いや、多分違うと思うぞ…」