2月26日 フロリダグレープフルーツの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。グレープフルーツジュースが好き。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。グレープフルーツは砂糖をかけて食べるのが好き。
昨日からの続きです。
ここはとある郊外のマンションの一室。
「…」(コトッ)
「…」(コトッ)
「うーん…これでどうだ…?」(コトッ)
「チェックメイトっすね」(コトッ)
「はっ⁉︎ほんとだ…くそー、また負けた!田中くんはほんとにボードゲームはなんでも強いね」
「フフフ、まあチェスでは町内会ベスト32の実力者ですからね、ぼくは!全国だと上位200人に入ると思いますよ!」
「君のとこの町内会はどんなメンツが集まってるんだ…ゴクゴク…ふう」
「高橋さん、だいぶ飲んでますけど大丈夫っすか?」
「割と酔っ払ってきたわ。楽しくてちょっと飲みすぎたな。そろそろやめにしとこう」
「こんなに負けてるのに楽しいって…もしかしてドMっすか?」
「んなわけあるか!君と飲んでるから楽しいってことに決まってんだろ」
「へっ⁉︎」
「…あー、今のなし。恥ずかしくなってきた…///酔うと思ったことそのまま口に出るのが困るよな…」
「…えへへ、ってことは本音ってことっすね」(ニヤニヤ)
「うっ/// あー、まあ…うん。…酔いをさまさないとだめだな」
「え〜、もっとありのままの姿見せてくれてもいいんすよ〜」
「雪の女王かよ。何か酔い覚ましになるものあったかな…あ、そうだ、グレープフルーツジュース作るか」
「グレープフルーツジュース?しかも作るんすか?」
「ああ。ハンドジューサーとグレープフルーツがあるからな」
「こんなしゃれたもの持ってるんすね。どこで買ったんすか?」
「店長のおすすめコーナーだよ。3個セットで売ってたんだ」
「…えっ?ハンドジューサーって3個も要ります?」
「…そういえばそうだな。一人暮らししたての頃に買ったんだが…カモられてたのか…」
「今度店長に文句言いましょうね…グレープフルーツはよく買うんすか?」
「いや、日付が変わって今日がフロリダグレープフルーツの日だから買ったやつだ」
「フロリダグレープフルーツ?なんでフロリダなんすか?」
「土壌や気候がよくてフロリダ産のグレープフルーツは世界一おいしいといわれてるらしい。それを日本でもアピールするために制定された記念日なんだ。日付は2月がフロリダ産グレープフルーツの旬なことと、『26リダ』の語呂合わせからきてる」
「ふむふむ」
「あとこれはグレープフルーツに限った話じゃないけど、果糖とビタミンCはアルコール分解を助けてくれるから、二日酔い予防にもいいぞ」
「それはいいことを聞きました。ぼくも少しもらってもいいっすか?」
「ああ、もちろんいいぞ。早速作ろうかね」
「ぼくも手伝います!そういえばグレープフルーツって子供の頃は苦手だったっす」
「あー、割と苦いもんな」
「それっす。今は大丈夫になりましたけど。高橋さんはグレープフルーツ、好きっすか?」
「ああ。子供の頃から割と好きだったよ」
「そうっすか。ぼくとグレープフルーツ、どっちが好きです?」
「そりゃ田中くんの方が好きさ。愛してるもん。…はっ⁉︎」
「…これ意外といいっすね。高橋さん、定期的にお酒飲み過ぎてもらえません?」
「やめて…恥ずかしいから…」