2月24日 クロスカントリーの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。クロスカントリーはテレビで見たことがある。とりあえず自分にはできないと思った。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。最初に聞いた時、クロスカントリーはボクシング用語かと思った。
ここはとある郊外のコンビニ。
「田中くんって毎朝ランニングしてるんだよな?」
「そうっすね。ときどきどうしてもできない日もありますけど大体毎日走ってますよ」
「すごいよなぁ。いつ頃から続けてるんだ?」
「えーと、中学にあがった頃からっすね。最近はむしろ走らない日が何日も続くとなんとなく気持ち悪くなっちゃいます」
「もう完全に習慣になってるんだな」
「そんな感じっすね。最初は部活のトレーニングの延長だったんすけど、今は完全に趣味っす。だから走る距離も日によってまちまちです。時間があんまりない時は短距離ダッシュを数本とかいう日もありますし」
「短距離って100mくらいか?」
「えーと、800mダッシュを10本ぐらいっすね」
「800mって短距離か…?そんなにダッシュできるとこって近くにあったっけ?」
「通ってた高校のグラウンドを貸してもらってます。いつでも使っていいって言われてるんすよ」
「へー。ランニングのときはどんなコースなんだ?前に何種類かあるって言ってたけど」
「街中を走るときは信号待ちが少なくて、交通量が少ないとこを選んでますね。あ、たまに林の中とか走りますよ。クロカンみたいに」
「クロカンって…クロスカントリーのことか?」
「そうっすそうっす。高校生のときに出場種目が多くてくたびれちゃって、息抜きにクロカンの大会に出たんすよねー」
「それほんとに息抜きになってるか?ふむ、今日は実はクロスカントリーの日なんだが」
「そうなんすか!ジャストタイミングっすね!なんで今日なんすか?」
「1977年のこの日、クロスカントリーの統一ルールによる大会がイギリスで初めて開催されたんだ」
「へー、クロカンに統一ルールなんてあるんすねー」
「すまん、実はこれ、スキーの方の話なんだ」
「へっ?スキーっすか?」
「ああ。雪の積もった野山を駆けるってタイプのレースだな」
「あー、なんか聞いたことあるような…」
「あとクロスカントリーっていったら自転車とか自動車での競技もあるぞ」
「そうなんすね。陸上競技のイメージしかなかったっす。でもスキーでやるやつも面白そうっすね!今度やりに行きましょうよ!」
「いや、俺スキー自体が満足にできないから…それこそやっぱり店長のおすすめコーナーのかんじきとわらぐつを買わないと」
「またこれ売ってあるんすね…今度はわらぐつまで…どこに需要があるんすかね?」※1月12日参照
「家に飾る人が多いらしい。工芸品みたいな扱いだな」
「たしかによくできてますけど…まあいいっす。あ、じゃあスキーの方じゃなくて走る方のクロスカントリーはどうっすか?ぼくの行きつけの林を紹介しますよ!」
「『行きつけの林』ってすごいパワーワードだな…走るのはちょっとハードル高いけど散策はしてみたい」
「じゃあ今度2人で散歩に行きましょう!」
「いいなそれ。ところで林ってこの辺りあったっけ?」
「ちょっといったところっすね。片道20kmぐらいっす」
「往復するだけでフルマラソンじゃねーか…」