2月20日 夫婦円満の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。両親の夫婦円満の秘訣はお互いの趣味に関しては干渉しないこと。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。両親の夫婦円満の秘訣は小さなことでも言葉に出して感謝すること。
ここはとある郊外のコンビニ。
「一人暮らしがしたいんすよね…できれば早急に…」
「一人暮らしは前にも言ってたけど、今回は切羽詰まってそうだな。何かあったの?」※9月23日参照
「実は今、うちの両親が喧嘩してまして…家にいづらいんすよね…」
「あー、それは気をつかうな…でも普段はご両親、仲良いんだろ?すぐに仲直りするんじゃない?」
「そう思ってたんすけど、地味に長引いててですね…まあ夫婦喧嘩はキャットフードっていいますし、大丈夫だとは思うんすけど…」
「…なんだそれ?初めて聞いたんだが…」
「えっ、ほら犬も食わないっていうじゃないっすか?」
「だからって猫が食うわけじゃないからね⁉︎取るに足らないことだって意味だから…」
「そうなんすか⁉︎でもうちの喧嘩は取るに足らないものじゃないっすよ!なんたってぼくの胃に穴が開きそうっすからね!」
「大ごとじゃねーか。太郎くんはどうしてるの?」
「全然気にしてないっすね。図太いんすよ、あの男は」
「まあ太郎くんらしいな。彼は大物だし、色んな意味で」
「それに…」
「それに?」
「あ、い、いえ、なんでもないっす」
「…?でも田中くんが家を出ても根本的な解決にはならなくないか?喧嘩自体をどうにかしないと」
「まあそうなんすけどね…」
「ちなみに喧嘩の原因は?」
「えーと…考え方の違いといいますか…」
「あー、どっちが悪いとかあんまり無さそうだな…うーん、仲直りか…店長のおすすめコーナーに二〇加煎餅があるけど…」
「なんすか、このひょうきんなパッケージのものは?」
「福岡の銘菓なんだけど、福岡ではこれを持って喧嘩した相手に謝りに行くってCMが昔から有名らしい」
「なるほど!じゃあこれを使ってどっちかに謝ってもらえれば…いや難しいかもしれないっすね…」
「まあそうかもな…このお菓子のことを知ってるならまだしも、お互い知らないんじゃ通じないし…うーん、夫婦喧嘩か…奇しくも今日は夫婦円満の日って記念日なんだがなぁ」
「夫婦円満の日?」
「ああ。京都府宇治田原町の株式会社宇治田原製茶場が制定した記念日だ。日付は『220』で『夫婦円満』の語呂合わせ」
「えっ?製茶場ってことは…お茶屋さんっすか?なんでお茶屋さんが夫婦円満の日を?」
「こいまろ茶っていう、誰が淹れても濃くてまろやかお茶ってのを販売してるんだけど、それを飲みながら夫婦円満に過ごしてほしいっていう願いが込められてるらしい」
「なるほどー でも一緒にお茶を飲むと心が落ち着いて、仲直りもしやすいかもしれないっすね!」
「それはあるかもな。こいまろ茶を取り寄せてもいいし、もしくはハーブティーなんかもいいかも」
「これは期待できそうな案っすね!早速試してみます!」
「…ちなみになんだけどさ、喧嘩の原因の考え方の違いってどんな内容なんだ?」
「えっ⁉︎…えーと、その…ぼくの持ってる漫画の片付けがすすんでないことに関してで…すぐにでも捨てるっていう母ともう少し待ってあげるっていう父が言い合いになりまして…」
「君が原因じゃねーか…」
遅くなってすみません…今日こそ0時更新を目指します