2月16日 似合う色の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。暖色系が似合う。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。寒色系が似合う。
ここはとある郊外のコンビニ。
「店長のおすすめコーナーに星座占いがありますよ!」
「おー、この企画か。ひさびさに見たな」
「あ、これって前もあったんすか?」
「ああ。店長が自分で占ってるんだよなー 大変だからたまにしかやらないって言ってた」
「そうなんすね。…なんかめっちゃ当たりそうで怖いっす…」
「そうでもないさ。的中率5割ぐらいじゃなかったかな」
「それ、かなりの確率っすよね…」
「でも毎回ラッキーカラーが難解なんだよな…」
「ん?どういうことっすか?」
「見てみればわかるさ。田中くんは…さそり座だろ?」
「そうっすね。えーとラッキーカラーは…浅葱色?どんな色でしたっけ?」
「えっと、緑がかった青みたいな色だったはず」
「へー。高橋さんは蟹座っすよね。んーと、白群?何色なんすか、これ…?」
「これは青がかった緑じゃなかったかな。なぜか毎回聞き馴染みのない色なんだよな…」
「たしかにこれは難解ですね…でも青系の色かぁ…赤の方が好きなんすよねぇ…」
「へぇ、そうなのか」
「そうなんすよ。ほら、ぼくブロッケンJr.好きじゃないっすか」
「…えっ?赤が好きな理由そこなの?」
「もちろんっすよ!黒も好きですよ!」
「ハンブルグの黒い霧って名前以外に黒い要素なくないか…?」
「高橋さんは何色が好きなんすか?」
「俺は…緑とかかな」
「おおっ!ブロッケンカラーっすね!」
「別にそれが理由じゃねーよ!でも田中くん、よく青系の服着てないか?」
「ぼく、パーソナルカラー診断だとサマーなんすよね」
「なるほどな。それで寒色系をベースに着てることが多いのか」
「…失礼かもしれないっすけど、高橋さんがパーソナルカラーについて知ってるのに驚きました。高橋さんは…うーん、オータムっすか?」
「そうだね。前に診断したときはオータムだった」
「たしかに高橋さん、読書好きっすもんね」
「いや、読書の秋は関係ないと思うけど…」
「しかしこれは…匂いますね、記念日が!」
「なんだその言い方…まあその通りだけど。今日は似合う色の日って記念日だ」
「似合う色…なるほど、2月16日なのは語呂合わせっすね!」
「そうそう。『グラデーションカラースケール®』で、一人ひとりに本当に似合うパーソナルカラー診断を提供している一般社団法人日本パーソナルファッションカラーリスト協会ってとこが制定した記念日だ」
「グラデーションカラースケール?」
「4種6枚のドレープを使って、ベースカラー、明度、彩度、清濁を評価して、その人に合う色を選ぶっていうメソッドらしい」
「ほうほう。結果にコミットしそうっすね」
「どこかで聞いたようなフレーズだな…でも田中くんは赤も似合うと思うけどなぁ」
「そうっすかね?あ、じゃあ今度一緒に買い物行ったときに赤でぼくに似合いそうな服を選んでもらえないっすか?」
「いいけど…俺が選んでいいのか?」
「もちろんっす!高橋さんから似合ってるって思ってもらえるなら、それ以上のものはないっす」
「お、おう…そうか…///」
「ふふふ、いい彼女でしょう!高橋さんにはもったいないっすかね〜」
「自分で言うのかよ…まあでも…そうだな。俺にはもったいないくらいだ」
「…そう改まっていわれるとちょっと照れますね。そ、そうだ!高橋さんにもぼくが服を選びますよ!」
「おっ、それはありがたいな!」
「どんなのがいいっすかね〜 帽子にドクロの徽章をあしらった軍服とかどうっすか?」
「ブロッケンJr.じゃねーか!」
遅くなり申し訳ありません。