2月15日 ツクールの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。シューティングゲームを作ってみたい。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。格闘ゲームを作ってみたい。
店長の息子 小説家。突飛な内容の作品が多い。
ここはとある郊外のコンビニ。
「最近ポケモンをまた始めたんすよ」
「ほう」
「久々にやりましたけど、やっぱなんだかんだ面白いっすね!」
「へー、そうなんだ。昔のやつをやってるの?それとも最近のやつ?」
「最近のをやってますね。新しいんすけど、なんか懐かしい感じっす」
「ふむ。ポケモンか…自分ではあんまりやったことないんだよな」
「そうなんすか?あれ?でも今までポケモンの話振ってもわかってる感じだったじゃないっすか?」
「弟や妹のやってるのをみたり、レベル上げとかの作業はやらされてたからな。延々と孵化をしたり、色違い探したり」
「そこだけってただの苦行じゃないっすか…高橋さんもポケモン買って、ぼくと一緒にやりましょうよ!」
「…そうだな。それは楽しそうだ」
「決まりっすね!じゃあ明日買いに行きましょう!そして明後日ポケモンバトルっすね!」
「レベル差で叩き潰す気満々じゃねーか!明後日勝負なら少しでも早く手に入れたいな…ちょうど店長のおすすめコーナーでゲーム特集してるけど、セガサターンのソフトばっかりだしなぁ」
「誰が買っていくんすかね、これ…店長っていろんなものを作ってますけど、流石にゲームを作ったりはしてないですよね?」
「俺の知る限りでは作ってないはず。前に作ろうとしたけど、向いてないからやめたって言ってた」
「店長にもできないこともあるんすねぇ。ちょっと安心しました」
「あ、でも5年くらい前に店長の息子さんがRPGツクールを使ってゲームを作ってたぞ。やらせてもらった記憶がある」
「RPGツクール?」
「KADOKAWAから発売されてるRPG制作ソフトでな。プログラムの知識とかがなくてもゲームが作れるって代物なんだ」
「なるほど。わざマシンみたいなものですね」
「そうだな。…そうか?まあいいか…ちなみに今日はツクールの日でもある」
「ツクールの日っすか。それはまたどうして?」
「15を9+6に分解して『2 15』→『2 9 6』→『ツクール』って語呂合わせからきてるらしい」
「なかなかトリッキーな語呂合わせっすね。それで店長の息子さんが作ったゲームってどんなのだったんすか?」
「勇者が魔王を倒すために旅に出るっていう定番の話なんだけど、そこに推理要素を足したものだったよ。各地を回りながら情報を集めて、魔王を特定するっていう感じの」
「へー、それは面白そうっすね!それってまだ遊べたりします?」
「どうだろうな。今度息子さんに聞いてみるか。ストーリー自体も面白くてな。魔王が実は自宅で飼ってる犬だったっていう大どんでん返しもあって面白かったよ」
「…今、『犯人はヤス』ぐらいのネタバレを食らったんすけど…」
「…あっ…す、すまん…」