2月7日 フナの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。好きなフナはギンブナ。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。フナはよくわからない。
ここはとある郊外のコンビニ。
「うーん…」
「どうした?むずかしい顔して」
「今日は休憩時間に夜食としてツナマヨのおにぎりを食べようと思ってきたんすけど…そんな日に限って売り切れなんすよね…」
「なるほどな。次の集配で来るだろうけど、休憩時間の後だしな」
「むー、せっかくのツナマヨの日なのに!悔しいっす!」
「ツナマヨの日?」
「知らないんすか⁉︎2月7日はツナマヨの日っすよ。『27マヨ』の語呂合わせで」
「それは知らなかった…まだまだ俺の知らない記念日があるんだなぁ」
「まあぼくが今作ったんすけどね」
「なんだそりゃ…それは知らないわけだよ…」
「でもありそうじゃないっすか?ツナマヨの日って実際にないんすか?」
「俺の知る限りではなかったと思う。毎月27日がツナの日で、5月25日がシーチキンの日ってのはあるけど」
「そうなんすか。それならツナマヨの日を作ってみんなを出し抜くチャンスっすね!」
「なんかメリットがあんまりなさそうだけど…田中くんはツナマヨ好きなの?」
「正直普通っすかね。年に一回ぐらいめっちゃ食べたくなります」
「なおのこと記念日を作る理由がねぇな…」
「しょうがないっすね。じゃあツナマヨ記念日はみんなの心の中にあるということで!」
「どういうまとめ方だよ…」
「ところでツナマヨの日じゃないなら今日はなんの日なんすか?」
「えーと、フナの日ってのがあるな。茨城県古河市の古河鮒甘露煮組合ってとこが制定した記念日だ」
「フナっすか…名前はよく聞くけどぼくはあんまり馴染みがないっすね。高橋さんは何かフナエピソードがありますか?」
「フナエピソードって…まあいいけど。前に店長のおすすめコーナーで店長特製の鮒ずしが売られてたことがあったな。買ってみたけど意外に美味しかった」
「へー。鮒ずしってどこの名物でしたっけ?」
「滋賀県だな。ちなみに鮒ずしに使われるニゴロブナってのがいるんだけど、そのアピール目的にニゴロブナの日って記念日が作られてる。語呂合わせで2月の5.6.7日だ」
「ふむふむ」
「でも1番馴染みのあるフナっていえば金魚じゃないかな」
「えっ⁉︎金魚ってフナなんすか⁉︎」
「たしかフナの中で突然変異して赤くなったのがヒブナで、さらに変異して金魚になったんじゃなかったかな」
「すごい!メガシンカしてキョダイマックスしたみたいな感じっすね!」
「そうだな。…そうか?」
「てことは金魚も食べられるってことっすか?」
「一応無毒だとは言われてて、ネットでもちらほら食べてる人を見かけるけど…一般に食用にされないことから味はお察しなんじゃないかな…」
「百聞は一見にしかずっすよ!一度チャレンジしてみましょう!次の集配で金魚が来たりしないっすかね?」
「絶対に来ないと思う。ツナマヨで我慢しておきなさい」
「ちぇー。…はっ!フナマヨって流行りそうじゃないっすか⁉︎」
「確実に流行らない」