1月30日 タビナカの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。旅行するなら文化財巡りをしたい。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。旅行するなら食べ歩きをしたい。
ここはとある郊外のコンビニ。
「海外旅行に行きたいと思いませんか?」
「なんか新しい切り口での話の振り方だな…」
「どうなんすか⁉︎イエスかノーか半分かで答えてください!」
「半分ってなんだよ…うーん、どちらかといえばイエスかな」
「ですよね!じゃあ早速行きましょうか!どこに行きます?ハワイっすか?」
「行動が爆速すぎる!とりあえず俺はパスポート持ってないからすぐには行けないぞ」
「えっ、そうなんすか?もしかして海外行ったことないとか?」
「実はそうなんだよ。機会がなくてな」
「ふふふ、ということは海外旅行に関してはぼくが先輩ってことっすね!さあ、高橋さん!わからないことはなんでも聞いてくれたまえ!」
「めちゃくちゃ先輩風吹かせてくるな…田中くんは海外旅行に慣れてるのか?」
「まあ、中学生の頃に一回行ったことがあるだけっすけど…」
「…ほんとになんでも聞いて大丈夫か?」
「で、でも0回と1回には天と地ほどの差がありますからね!喧嘩男とネプチューンマンぐらい違いますよ!」
「同一人物じゃねーか。でも海外ねぇ…そういやこの前店長がどこか行ってたな。おすすめコーナーの商品を仕入れに」
「それで今日のおすすめコーナーはグローバルな感じなんすね。この仮面はどこかで見たような…」
「これはヴェネツィアのやつじゃないかな?」
「あ、それっすね。てことはイタリアに行ったんすね。いいっすよねー 本場のパスタやピザを食べたいっす」
「でも隣のは明らかに中国茶だよな…?中国にも行ったのかな?」
「中華料理もいいっすねぇ!飲茶食べたいっす!」
「その隣は…ブーメラン?アボリジニって書いてるってことはオーストラリアか…移動距離ハンパないな…」
「オーストラリアっすか。何か美味しいものありましたっけ?」
「君は君で食べ物ばっかりだな…」
「し、失礼な!それ以外にもありますよ!観光とか現地の人たちとの触れ合いとかストリートファイトとか!」
「物騒だな…」
「そういう高橋さんは海外行ったら何がしたいんすか?」
「どこに行くかにもよると思うけどさ、でも最初は勝手がわからないから、ツアーみたいなのに参加したいな。ガイドさんが着いてくれるやつ」
「えー、なんか決められた通りに動くのは性に合わないっす。ぼくは誰にもしばられないっすよ!」
「雲のジュウザかよ。自分のやりたいことに合わせてオプショナルツアーをつけるってのもいいんじゃないかな」
「それなら少し自由度は増しますね。とりあえずどんなツアーがあるかみてみますかね!」
「それで行き先決めるってのもありだな。そういや今日はタビナカの日って記念日だぞ。海外現地オプショナルツアー・アクティビティの予約サイトの『タビナカ』を運営する会社が制定した日だ」
「おっ、ジャストタイミングじゃないっすか!早速そのサイトを見てみますか!」
「あ、そういやタビナカは2022年2月でサービス終了するんだった。今はもう新規の募集してないわ」
「えぇ…じゃあダメじゃないっすか…」
「まあ他のサイトを見てみようぜ。あ、そういや海外行くなら店長にも相談しないとな」
「相談って?バイトのシフトとかっすか?」
「いや、前に店長から『お前は絶対に飛行機に乗るな。どうしても乗るなら相談しろ』って言われたんだよ」
「えっ?な、なんでですか…?」
「さあ…?よくわからんが怖いよな」
「…この場合怖いのは誰なんすかね…?」