1月23日 アーモンドの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。アーモンドといえばアーモンドミルク。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。アーモンドといえばアーモンドチョコ。
昨日からの続きです
ここはとある郊外のマンションの一室。
「…」(モグモグ)
「…」(モグモグ)
「…高橋さん」
「…なんだ?」
「…このカレーなんすけど」
「…うん」
「…めっちゃ美味しくないっすか?」
「…めっちゃ美味い」
「ですよね!ぼくたちが作ったものですけど…なんでこんなに美味しいんすか⁉︎」
「今まで食べたカレーの中で一番美味いかもしれん…特別なものは入れてないけどな。…店長のスパイス以外は」
「これがスパイスにこだわるってことなんすね…ちょっと辛いのが難点っすけど」
「あ、飲み物生姜湯しか出してなかったな。悪い、すぐに他のを用意するよ」
「すみません、気を遣ってもらっちゃって」
「えーと今うちにあるのは…東京水かアーモンドミルクだけどどっちにする?」
「なんすかその2択…?まず東京水がよくわからないっす…」
「東京都水道局が売ってるペットボトルに詰めた水道水だよ。店長のおすすめコーナーで買ったんだ」
「普通に水道水を飲めばいいのでは…?もう一つのアーモンドミルクも店長のおすすめコーナーで買ったんすか?」
「いやこれはスーパーで買ったやつ。そろそろアーモンドの日だってことを思い出して買ったんだ。おっ、日付変わって今日がそうだな」
「高橋さんの行動ってかなり記念日に左右されてますけど、食生活も割と記念日に汚染されてますよね…」
「汚染っていうな。まあでも変化があるだけいいんじゃないかって思ってるよ。前に店の改装で1週間バイトが休みだった時にはマジで3食トーストにマーガリン塗ったものしか食べてなかったし」
「よく体壊さなかったっすね…前も同じものばっかり食べてる話を聞いたような…」
「まあ今はそれなりにバランス考えて食べてるから」
「それならいいっすけど…それでアーモンドの日でしたっけ?」
「ああ。カルフォルニア・アーモンド協会が制定した記念日だ。日付は1日に約23粒のアーモンドを食べると1日に必要なビタミンEが摂取できることにちなんで決められたそうだ」
「ビタミンE?」
「抗酸化作用が強くて美容にいいっていわれてるビタミンだよ」
「美容にいいですって⁉︎それは摂取するしかないっすね!マスター!アーモンドミルクを1杯!」
「誰がマスターだ。了解、ちょっと待ってくれよ。…はい、どうぞ」
「ありがとうございます!ゴクゴク…初めて飲んだんすけど、予想以上に飲みやすいっすね」
「俺も割と好きなんだよ。砂糖とかが入ってもっと甘くなってるのも売ってるぞ」
「へぇー。今度スーパー行ったとき探してみよう。ちなみにアーモンド自体は買わなかったんすか?」
「買ってあるよ。少し食べるか?」
「いいんすか!じゃあぜひ!」
「取ってこよう。…ほら」
「いただきます!…ん⁉︎こ、この匂いは…」
「どうした?な、何かまずかったか?」
「青酸カリ!」
「…それ言いたいだけだろ…」
高橋「青酸カリ自体はアーモンド臭がするわけじゃないからな」
田中「そうなんすか⁉︎」