1月20日 血栓予防の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。禁煙が血栓予防になればいいな、と思ってる。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。血栓なんてこの手で粉砕してやる!、と思ってる。
ここはとある郊外のコンビニ。
「今日友達が言ってたんですけどね」
「うん」
「その子のお父さんが倒れちゃったらしくて…」
「えっ⁉︎なんで?病気か何か?」
「はい、心筋梗塞だそうです」
「心筋梗塞…それで…容体は?」
「幸いすぐにカテーテルっていうんですかね?その手術を受けて治ったらしくてですね。今は元気だそうです」
「そっか…それはなによりだな。でも君の友達の親ってことは50代ぐらいじゃないの?」
「そうっすね。52歳って言ってました。それを聞いてうちの両親も倒れたりしてもおかしくない年齢なんだな…って思っちゃいました」
「まあ珍しくはない年代だよな。想像はしたくないけど…」
「高橋さんもいい歳なんすから気をつけてくださいよ!」
「いや、だから親世代に比べればまだまだ君に近い年齢だからな、俺は!しかしうちの父親は大丈夫かな…?酒も飲むし煙草も吸うし毎日角砂糖10個食べるし」
「最後のは今すぐやめた方がいいと思いますけど…それ以外も病気になる前にやめた方がいいっすよ」
「そうだな…とりあえず店長のおすすめコーナーにある禁煙グッズでも買っていくか」
「そういえば特集してましたね。しかしいろんなグッズがあるんすねー これってどうやって使うんすか?」
「これは体に貼るやつだな。煙草を吸いたい気持ちを抑えてくれるらしい」
「へー、でもこういうのって薬局とかじゃないと買えないんじゃないんすか?」
「ああ、これは大丈夫。店長お手製のやつだから」
「…これまさか呪術とかのたぐいじゃないっすよね?」
「さあ…?でもとりあえず医薬品じゃないって言ってたよ」
「怪しさMAXなんすけど…」
「まあそれでも煙草吸い続けるより体に悪いことないだろ。煙草は心筋梗塞とか脳梗塞の大きな原因の一つだからな」
「高橋さんは禁煙続いてるんすか?」
「まあなんとかな」
「えらいっす!頭ナデナデしてあげましょうか?」
「…ああ、頼む」
「…へっ⁉︎」
「冗談だよ」
「びっくりした…」
「でも煙草だけじゃなくて他の生活習慣も見直さなきゃな。今日はちょうど血栓予防の日だし」
「『けっせん』って…あの金曜日にやるやつっすか?」
「それは『決戦』だろ。『血栓』、つまり血の塊で血管を詰めることだな。それこそ心筋梗塞とか脳梗塞とか」
「なるほど。でもなんで今日なんすか?」
「1月20日は二十四節気で大寒になることが多いからってのが理由の一つだ。血栓症は寒い時期に起きやすいから」
「二十四節気というと、霜降とかのやつっすか?」※10月23日参照
「そうそう。大寒は文字通り一番寒くなりやすい時期なんだ。あと、『20』で『つ まる』の語呂合わせでもある」
「ほうほう。でも健康のためにもいい記念日っすね!医師会とかが作ったんすか?」
「いや、日本ナットウキナーゼ協会ってとこ」
「…は?なんで納豆が出てくるんすか?」
「元々納豆に含まれるナットウキナーゼって成分が血栓症予防になることをアピールするために作られた日なんだよ」
「…そうやってぼくに納豆を食べさせようって寸法っすね!その手には乗りませんよ!」
「そういや納豆嫌いだったな…別にそんなつもりはないが、そういう効果もあるから食べられるようになるといいけどね」
「ふん、ぼくはそんなつまらない人間にはならないっす!」
「いや、つまったら困るだろ…」