1月11日 鏡開き UNOの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。好きなUNOのカードはリバース。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。好きなUNOのカードは白いワイルドカード。
ここはとある郊外のマンションの一室。
「はい、お待ちどうさま」
「ありがとうございます!いただきます!ふー、ふー…もぐもぐ…美味しいっす!」
「それはよかった」
「やっぱりおしるこはいいっすねー でも高橋さん、ずいぶん作るの手慣れてますね」
「もう10年以上やってるからな。鏡開きにおしるこを作るのは中学くらいから俺の役割だったし」
「へぇー。でも一人暮らしで鏡餅飾るのも珍しいっすね」
「まあそれも習慣でな。ガワがプラスチックで、中に切り餅が入ってるやつだけど」
「これ便利っすよね。うちの家もこれにしてます」
「店長の家ではしっかり餅でできた鏡餅を毎年飾るらしい。店にも置いてるしな」
「あれも今日鏡開きしたんすかね?」
「ああ。毎年午前中のうちに鏡開きして、午後にはそれでおかきを作って店長のおすすめコーナーで販売してるぞ。ほら、これだ。一袋買ってきた」
「へー ちょっと食べてもいいっすか?」
「もちろん」
「ではありがたく。…めっちゃ美味しい…え、なんすかこれ?」
「ヤバいくらい美味いよな。店長の自信作らしい」
「店長の自信作…なんか変なものが入ってたりしないっすよね…?」
「材料や作り方を聞いたけど変なことはなかったぞ。あとは店長の腕だろうな」
「それなら安心っすね!また呪いとかかかってるのかと思いましたよ」
「ははは。まあ気持ちはわかるけどな。あ、でも鏡開きのときに店長がハンマーで叩くと餅が均等に割れるんだよな。それこそそのままおかきにできそうな感じに。あれは何度見ても不思議だなぁ」
「不思議で済ませていいレベルの話じゃないと思うんすけど…まあ気にしないことにします。ごちそうさまでした!すみません、ご馳走になっちゃって」
「いや、むしろありがたいよ。材料とかの問題でかなりの量作っちゃうからさ、1人で消費すると2.3日ぐらい3食おしるこになっちゃうんだよな」
「体壊しますよ…でもご馳走になったのは変わりないっすからね!代わりに今日の記念日うんちくを聞いてあげますよ!」
「…まあいいけどさ。今日はUNOの日だな」
「UNOってあのカードゲームのっすか?」
「そうそう。販売をしてるマテル・インターナショナル株式会社ってとこが制定した記念日だ。日付は『UNO』ってのが『1』って意味だから、それが重なる1月11日にってことで決まったらしい」
「へー。ぼく、実はUNOめっちゃ強いんすよ。高橋さん、UNO持ってたりしないっすか?ぼくの実力を見せてあげたいんすけど」
「UNO強いってどういうことだ…?ああ、でもあるぞ。えーと、確かここに…ほら」
「じゃあ早速やりましょう!…あれ?これ未開封なんすけど、いつ買ったんすか?」
「えっと、UNOの日ができた次の年ぐらいに買ったから…4.5年前じゃないかな」
「…その間使うことなかったってことっすか?」
「うん。流石に1人でUNOはやらないさ」
「…もう何も言えないっす…」