12月27日 寒天発祥の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。牛乳寒天が好き。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。フルーツ寒天が好き。
ここはとある郊外のコンビニ。
「高橋さんって高校生のときからあんまり体重が変わらないって言ってたじゃないっすか?」
「あー、そんな話をした気がするな」※10月18日参照
「なんでっすか?」
「いやなんでと言われても…高二ぐらいで身長が伸び終わって、そのあとは体重はあんまり変わらなくなったな。プラマイ1kgぐらいで変動するくらい」
「ズルいっす!こちとら必死に節制と運動をして体重を維持してるっていうのに!アレっすか?実は高橋さんの正体は記念日普及用のアンドロイドだったりするんすか?」
「そんなわけあるか!というより君の場合はときどき暴食が挟まるのが原因なんじゃないの?」
「高橋さん…正論だけではヒトは生きていけないんですよ…」
「自覚あるんじゃねーか。でも俺自身はそんなに特別なことしてないけどなぁ。間食を控えるとか、間食したときは食事の量を少し減らすぐらいかな」
「間食ってどうやったら抑えられますかね…?小腹が空くとついついオムライスとか食べちゃうんすよね…」
「オムライスが小腹を満たすジャンルなのか…そうだな…俺は『小腹空いたな…まあいいか』って感じでなかったことにするかな」
「なかったことにはならないでしょ…できたら気合以外の解決策をお願いします…」
「うーん…カロリー低めのものを食べるようにするとか?寒天とかいいんじゃない?」
「ふふふ、急に具体的な名前が出てきたということはこれは記念日に違いないっす!ズバリ今日は寒天の日っすね!」
「いや、寒天の日は2月16日。今日は寒天発祥の日だ」
「…この流れも久々っすね…どういう日なんすか?」
「伏見寒天記念碑を建てる会が制定した記念日で、京都の伏見が寒天発祥の地だってことをアピールするための日だそうだ。日付は寒天の元になったところてんが初めて島津藩に提供されたのが12月ごろらしいということと、『243』の語呂合わせから24+3=27ということで27日になったそうだ」
「ふーん。ん?寒天の元になったところてんってどういうことっすか?」
「寒い日に外に放置されてたところてんが凍って、日中に溶けて乾燥されたものってのが寒天の大元って言われてるんだ。ところてんより海藻の匂いもしなくていろんな料理に使えるんじゃないかってことで作られ始めたらしい」
「えっ、寒天って海藻からできてるんすか?」
「ああ。海藻由来の多糖類、つまり食物繊維がゲル化したものだから、寒天自体はすこぶるカロリーが低いんだよ。水分も多く含むからお腹にもたまるし」
「最高じゃないっすか!あっ、そういえば店長のおすすめコーナーに特製寒天ゼリーが売ってありましたね!」
「ああ、美味しいからおすすめだぞ。オンラインショップでも買えるし」
「早速買って帰ります!…高橋さん、この『カロリーオフ』って書いてあるのはわかるんすけど、その隣の『カロリーの暴力』って書かれた寒天ゼリーはなんなんすか…?」
「店長が趣味で作ったやつだよ。極限までカロリーを高めたやつらしい。200gで1500キロカロリーだそうだ」
「えぇ…何を目的にしたものなんすかね…」
「非常食としてはいいのかもしれないな。貧乏だったときにこれ食べて1日1食で生活してた時期があったなぁ。懐かしい」
「…よく身体壊さなかったっすね…」