12月22日 スープの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。好きなスープはコーンスープ。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。好きなスープはオニオングラタンスープ。
ここはとある郊外のコンビニ。
「高橋さん、最近休憩時間にあんまり食べないっすね」
「ああ。最近寒いから夕飯に温かいものをガッツリ食べて、体を温めるようにしてるんだ。だからこの時間あんまりお腹空かないんだよ」
「そうなんすね。ちなみに夕飯はどんなの食べてるんすか?」
「鍋が多いかな。最近店長のおすすめコーナーに1人鍋セットがよく置いてあるだろ?あれを買って食べてる」
「あー、あの野菜とかお肉とかが鍋の素と一緒に入ってるやつっすか」
「そうそう。いろんな具材が入ってて美味いんだよ」
「へー。あ、前から疑問だったんすけど、たまに1人鍋セットデラックスってのが売ってるじゃないっすか?あれって何が違うんです?」
「たしか手作り土鍋を作れるように粘土がついてくるんじゃなかったかな」
「鍋自体から作るんすか⁉︎えっ、ほんとにできるんすか…?」
「さあ…?買ってる人はちらほら見るけどな…」
「ほんとに謎の商品っすね…でも羨ましいっす。ぼくも夕飯はしっかり食べてるんすけど、やっぱりこの時間はお腹空いちゃいますもん」
「まあ君は食いしん坊キャラだしいいんじゃないか」
「失敬な!誰が食いしん坊キャラっすか!人よりちょっと食欲に忠実なだけっすよ!」
「それが食いしん坊キャラだろ…お腹空いたときは温かいものを飲むと少し落ち着くぞ。俺はそうしてる」
「温かいものってコーヒーとか紅茶とかっすか?」
「それもいいし、最近はスープを飲むことが多いかな。いろんな缶スープが最近は出てるし」
「あー、たしかに見かける気がします。でも飲んだことないんすよね。あれって美味しいんすか?」
「かなり美味いと思うけどな。試してみたら?今日はちょうどスープの日だし」
「スープの日っすか」
「ああ。スープに関する話題を提供することで、より多くの人にスープへの関心を持ってもらい消費拡大を図る目的で日本スープ協会が制定した記念日だ」
「ふむふむ」
「日付は『12も22とスープをいただく』っていう語呂合わせで決まったそうだ」
「…その語呂合わせはちょっと看過できないっすね…」
「ど、どうしたんだ?語呂合わせにはいつも寛容なのに…」
「この語呂合わせはっすね、ビシソワーズのことを何も考えてないっす!そういう仲間外れは良くないと思いますよ!」
「ビシソワーズって冷たいスープだっけ。なるほど、たしかにそうかもな」
「そうでしょう!ビシソワーズを守る会の会長として断固抗議します!」
「なんだその団体は…でも田中くん、そんなにビシソワーズが好きだったんだな」
「あっ、いえ、実はちょっと苦手っす…だってあれ冷たいじゃないっすか…」
「えぇ…さっきまでの熱弁はなんだったんだよ…」
「仲間外れが許せないのはほんとなんすけど…ほら、それとこれとは別というか…ぼく、食欲に忠実に生きる会の会長もやってるんで…」
「また変な団体が出てきた…」
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