12月15日 年賀はがき引き受け開始日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。年賀状はほとんど書かない。書く相手がいない。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。年賀状は毎年出してる。内容を考えるのが好き。
ここはとある郊外のマンションの一室。
「やっぱりこれ強いなぁ」
「なめるぐらいにしたのに喉が灼けるかと思ったっす…コングウイスキーでしたっけ?すごいパンチ力っすね」
「コンクウイスキーな。でもいい経験したわ。せっかくだし、一杯はストレートでちびちび飲もうかな。チョコレートをつまみにして」
「というかなんでこんなにたくさん五円チョコを買ったんすか?」
「店長のおすすめコーナーにあったんだよ。五円チョコフェアってことで、棚に山ほど並んでた」
「たまにほんとにわけわかんないフェアやりますよね…まあ美味しいからいいんすけど」(もぐもぐ)
「あと乾き物とかは出してるけど…ほかに何か食べたいものある?」
「いえ、忘年会でもわりかし食べたんで大丈夫っす。でも、盛り上がりましたねー 楽しかったっす!」
「その分疲れたけどな…でもまあよかったよ」
「やっぱり幹事って大変なんすか?」
「それもあるが…あれなんだったんだ?君の謎の絡みは?」
「え、だってウザ絡みするって約束だったじゃないっすか?」※11月25日
「たしかに言ってたけどさ…どういう意図だったんだ?たとえば…」
(忘年会中)
『高橋さん!高橋さん!』
『どうした?』
『この皿の唐揚げで1番美味しいものはどれでしょーか?』
『なんだその質問…うーん…これが1番大きさとか揚げ具合がいいような気がするけど』
『フッ、何もわかってないっすね!』
『んん?じゃあ君ならどれを選ぶんだ?』
『ぼくならこの皿からは絶対に選ばないっす!あっちの揚げたての皿から選びますね!』
『なんだそりゃ…海原雄山かよ…』
「あー、あれは『高橋さんはどんなネタでも拾える説』を検証してたんすよ」
「誰だ?そんな説を言い出したのは…」
「ぼくという説もありますね」
「それ以外にどんな説があるんだよ…やけに色んな人が小ボケをかましてくると思った…」
「でもみんな驚いてましたよ!高橋さんの無駄な知識の広さに」
「無駄なって…まあいいけどさ…ふう…疲れて眠くなってきたな…」
「えー 夜はまだまだこれからっすよ!ほらほら、今日の記念日うんちく聞いてあげますから!」
「今日は…12月15日か…年賀ハガキ引き受け開始日だな…今日から年賀ハガキの投函ができるようになる…」
「それって記念日なんすか?」
「うーん…厳密にいうと違うかな…実は今日って日本記念日協会認定の記念日が一個もない日なんだよ…」
「えっ、そんな日があるんすか⁉︎」
「うん…観光バス記念日とかいう日でもあるんだが…認定はされてない…」
「へー でもそれはそれで特別感のある日っすね!」
「そうだな…でもなぜかおれ、毎年この日は眠気や怠さが強くて…イマイチ調子が悪いんだよな…」
「どんだけ記念日に依存して生活してるんすか…?ん?あれ?高橋さーん?」
「zzz…」
「寝ちゃった…風邪ひかないように毛布でもかけとくか…」
「うーん…なんだそりゃ…アナゴくんかよ… zzz…」
「夢でもツッコミ入れてる…というかどんなボケに対する反応なんだろ…?」