12月10日 三億円事件の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。好きな三億円事件は有楽町三億円事件。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。…三億円事件ってひとつじゃないんすか?
ここはとある郊外のコンビニ。
「店長のおすすめコーナーに表彰状が飾ってありますけど、あれなんなんですか?」
「この前宅島さんと武中さんが警察から表彰されたんだよ。特殊詐欺を事前に防いだってことで」
「そうなんすか!宅島さんと武中さんって日勤のパートさんっすよね?」
「そうそう。年配のお客さんが多額の電子マネーを買おうとしてて、事情聞いたら架空請求詐欺っぽい内容だったらしくてさ。すぐに警察に通報したらしい」
「へぇー!勇気ある行動によって未然に被害が防がれたってわけっすね!すごいっす!」
「すごいよなぁ。自分に同じことができるかちょっと自信ないわ」
「高橋さんならきっと大丈夫っすよ。それで1番上の表彰状はわかったんすけど、それ以外のはなんなんすか?」
「今までも何度かここの店員が表彰状もらったことがあったらしくて、店長がそのコピーを額縁に入れて取っておいてるんだよ。こういう風に新しく表彰状が増えたら他のも一緒に1日飾るんだ」
「ほうほう。今回のを含めて6枚っすか…これってめっちゃ多くないっすか?」
「俺もそう思う。店長は『みんながお客様に寄り添ってるって証拠だな!』って言ってたけど」
「その考え方は素敵っすね!…あの…1番古い表彰状に店長が連続爆弾魔の逮捕に貢献したって書いてあるんすけど…」
「ああ、若い頃の武勇伝って言ってたな」
「武勇伝の規模がデカすぎるっす…でもいいなー ぼくも表彰されるような活躍をしたいっすね!」
「こればっかりはその場に居合わせる必要があるからなぁ」
「うーん、変声機と麻酔銃を持ったメガネの小学1年生に弟子入りすべきっすかね?」
「殺人事件ばっかりに巻き込まれそうだな…」
「まあぼくは名探偵を目指してますからそれでもいいですけどね」
「そういや前にそんなこと言ってたな。今もまだ目指してたのか」※10月7日参照
「もちろんっすよ!ぼくにかかればどんな事件も迷宮入りっす!」
「ダメじゃねーか!しかし、迷宮入りねぇ…今日は三億円事件が起こった日だな」
「聞いたことあるっす。あの…三億円の事件っすよね?」
「何も情報が増えてないな…1968年のこの日に起こった三億円強奪事件だ。ざっくりいうと白バイ警官に扮した犯人が現金輸送車巧みに奪って逃げた、って内容だな。1975年に時効が成立してる」
「なんかそんなに迷宮入りしそうな感じはしない内容っすけどね」
「当時も最初は割と楽勝ムードだったらしいな。捕まらなかったのは犯人の頭がいいのか運がいいのか」
「くそー 当時ぼくがいれば華麗な推理で犯人を10人ぐらい捕まえたんすけどねー」
「めっちゃ誤認逮捕してんじゃねーか…」
「いや、5人じゃなくて10人っす」
「そういう意味じゃなくてだな…」