12月8日 有機農業の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。農業はちょっと興味ある。でも体力的に無理そう。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。農業はちょっと興味ある。でも作るより食べる方がいい。
ここはとある郊外のコンビニ。
「店長のおすすめコーナーでたまに野菜の直売をやってるじゃないっすか?」
「ああ、やってるな」
「あれって店長が育てた野菜なんすか?」
「いや、あれは違ったはず。専属農家で作られた作物じゃなかったかな」
「前も言いましたけど、コンビニに専属農家があるのおかしいでしょ…」
「昔からの知り合いらしい。この辺りの飲食店にもその農家の野菜を使ってるとこがちょくちょくあるそうだ。この店から卸してな」
「まあたしかに美味しいっすもんね。この前買って帰ったんすけど、どれもいい出来でした」
「そうなんだ。実は買ったことないんだよな。何か買って帰るか」
「おすすめっすよ!うちの母も美味しいって言ってましたし。それにオーガニックって書いてあるんできっとすごい強いんすよ!」
「なるほど。…オーガニックだから強い、の意味はよくわからんが」
「えっ、範馬勇次郎っぽいってことじゃないんすか?」
「そっちのオーガじゃねぇよ!オーガニックってのは有機栽培されたって意味だよ」
「有機栽培?」
「農業による環境への影響を出来るだけ低減した方法で作物を作ることって定義だ。化学的に合成された肥料とか農薬を使わないとか遺伝子組み換え技術を使わないとかな」
「なるほどー 無農薬とかいうことっすね」
「いや、農薬は使うことがある。自然成分、例えば除虫菊とかを原料とした農薬は使ってもいいことになってるそうだ」
「ふむふむ。でも自然成分だけって聞くと健康にも良さそうな感じがしますね!」
「うーん、気持ちはわかるが、別にはっきりそういう効果があるわけじゃなさそうだぞ」
「そうなんすか…せっかく無限に食べてもいいものが見つかったかと思ったのに…」
「いや、どんなに体にいいものでも無限に食べたら悪いだろ…」
「でも高橋さんやけに詳しいっすね?もしかして例のアレっすか?」
「変な言い方をするな。まあ今日は有機農業の日だけどさ」
「やっぱりっすか。なんでも記念日があるものなんすねー」
「これは割と最近出来た記念日だぞ。2016年じゃなかったかな」
「へー、てことは[ピー]年前っすね」
「だからなんで伏せ字にする必要があるんだよ…まあいいけどさ。有機農業の日、別名オーガニックデイは一般社団法人次代の農と食をつくる会が制定した記念日だ。日付は2006年12月8日に『有機農業の推進に関する法律』が成立したことに由来してる」
「ふーん。ということはおすすめコーナーの野菜も手間暇かけて作られてるってことなんすね」
「そうだな。聞いた話によるとオーガニックかつ無農薬らしいぞ」
「へー!でも買った野菜はどれも虫食いとかなかったっすよ?どうやって虫除けしてるんすかね?」
「たしか…結界を張ってるっていってたかな」
「…呪術を使うのはオーガニックっていっていいんすかね…」