12月1日 手帳の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。手帳を愛用している。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。予定は基本心のノートにメモする。
武 高橋家に住み着く男性の幽霊。
貴子 高橋家に住み着く女性の幽霊。
太一 高橋家に住み着く子どもの幽霊。生まれついての幽霊。
ここはとある郊外のコンビニ。
「…今日って何かイベントがなかったですか?」
「イベント?…なんかあったっけ?」
「たしか何かあった気が…12月1日…あっ!そうっすよ、高橋の日じゃないっすか!」
「高橋の日…あー、なんか前に話した気がするな」※9月3日参照
「ほら、全国の高橋さんを集めて大会を開くって言ってたじゃないっすか!たしか…遊戯王を決めるんでしたっけ?」
「なんでだよ…まあたしかに作者は高橋先生だけどさ。というより大会を開くって言ったの君だっただろ」
「競技は何にしますかねー あ、そうだ!店長のおすすめコーナーにバトルドームがありましたよ!」
「聞いてないなこいつ…バトルドームか…めっちゃ懐かしいな。ツクダオリジナルの奴だろ?」
「そうっす!超!エキサイティン!!な奴っす!」
「でもこれ4人用だろ?大人数の大会には向かないんじゃないか?」
「たしかに全国の高橋さんは140万人ぐらいいますからね…」
「そんなにいるのか…」
「とりあえず何人ぐらい集まるかによってまた考えればいいっすよ!それじゃ全国の高橋さんに連絡とってもらっていいっすか?」
「いや、俺が連絡先知ってる高橋さんってうちの家族と親戚ぐらいだけど…」
「そんな⁉︎全国高橋ネットワークとかないんすか⁉︎」
「そんなものはねぇ。というより高橋の日自体がまだないし、大会も開かれないからな」
「ちぇー でもなんで今日が高橋の日っていったんでしたっけ?」
「今日が手帳の日だから、って理由だった気がする」
「あー、そうでしたね。作ったのはあの『手帳は高橋』って会社ですか?」
「いや、株式会社日本能率協会マネジメントセンターってとこだ。能率手帳って聞いたことない?今はNOLTYって名前だけど」
「なんか聞いたことあります!日付は…たしかに来年の手帳を準備するのはこのくらいなイメージがありますね」
「それと、今年の手帳を見返して一年を振り返るきっかけに、って意図もあるらしい」
「なるほどー 高橋さんは手帳って使ってます?」
「ああ。毎年この日に新しいのを買ってるぞ」
「…正直、手帳っているんすか?スマホでよくないです?」
「まあスケジュール管理って面ではスマホで十分だよな。まあでもささっとメモできるとか、後で見返しやすいって面では手帳も捨てたもんじゃないと思うけどな」
「そんなもんっすかね…高橋さん、今も手帳持ってます?よかったらどんな感じで使ってるか、少し見せてもらえないっすか?」
「ああいいよ。ほら」
「ありがとうございます!…い、意外と予定が書き込まれてますね…」
「なんだ、意外とって…まあ大部分がバイトと研究室関係だけどな」
「メモもいろいろしてありますね。…えっ⁉︎太一くんってクリスマスが誕生日なんすか⁉︎」
「そうらしいぞ。武さんから聞いた」
「幽霊の誕生日ってのも不思議な感じがしますが…あ、ぼくの誕生日もメモしてありますね!あとは武さん、店長、貴子さん、…ん?貴子さんの誕生日が2つあるんすけど…」
「ああ、あの人たちは誕生日が2つあるんだよ。生前の誕生日と幽霊としての誕生日と」
「…幽霊としての誕生日…それって命日じゃ…」