11月25日 いいえがおの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。今日のわんこを観てると自然と笑顔になる。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。食事中は自然と笑顔になる。
滝川 バイト仲間。本名は滝川 照。あだ名は「クリス」(命名 田中) 天使の笑顔(田中 談)というより天使どころか神超えてる(田中 談)
ここはとある郊外のコンビニ。
「今年も忘年会のシーズンが近づいてきましたね」
「ああ。裏のシフト表のとこにお知らせと出欠表を貼ってるから、行くかどうか決まったら書いておいてね」
「もう書きました!『忘年会荒らし』の異名を持つぼくっすよ!行くに決まってるじゃないっすか!」
「荒らすなよ…」
「高橋さんが幹事なんすね。あれ?前も幹事してませんでした?」
「定期的にやってる飲み会の幹事はいつも俺なんだよ。もう5年くらいやってる」
「それは申し訳ないような…ぼく代わりにやりましょうか?」
「いや、幹事だったら飲み会中にぼっちでも浮かないだろ?そんなわけでやらせてもらってるんだ」
「なんて悲しい理由なんすか…今年はぼくがめっちゃウザ絡みしますからね!覚悟してくださいよ!」
「できれば普通に絡んでくれ…まあ嬉しいけどさ」
「でももう参加希望してる人多いっすよ。あっ!クリスちゃんも来るんすね!ぐふふ、これは楽しみになってきましたね!」
「ぐふふって…君は滝川くん絡みのこととなると途端に変質者みたいになるな…」
「クリスちゃんが可愛すぎるのがいけないんすよ。…あっ、クリスちゃんが来るから高橋さんは参加しないなんてことないですよね…?ほら、この前強盗のこと思い出させるかもしれないからあんまり顔を合わせないようにしてるって言ってたじゃないっすか…」※8月21日参照
「ああ、実はあっちも同じこと考えてたってことが判明してな。この前話し合って、もうお互い気にしないってことになったんだ。しかし、あの子は優しいね。自分があんな怖い目にあったってのに…」
「…それは高橋さんも一緒だと思いますけど…でもクリスちゃんが可愛くて優しくて超可愛いのは同意っす!マジ天使っすもん!」
「そんなにか…って思ってたけどさ、滝川くんの笑ってるところを見て考えが変わったわ。あれはやばいな。田中くんがそこまでいうのも理解できる」
「でしょ!あー、店長のおすすめコーナーでクリスちゃんの笑顔の写真とか売ってくれないっすかね?」
「…マジで店長が頼んだことがあるらしいぞ…断られたそうだけど」
「あ、そうなんすね…まあ当然っすけど、ちょっと惜しいって思っちゃうっす」
「代わりに店長の家で飼ってるハクビシンの写真が売ってるぞ。ほら」
「ほんとだ…ハクビシンってペットにしてよかったんでしたっけ…?」
「さあ…?とりあえず10枚買ったぞ。可愛いし」
「買いすぎでしょ…でもやっぱクリスちゃんの写真が欲しいっすね。今度撮らせてもらえないかお願いしてみようかな…2万円ぐらいで」
「発想がやべえよ…笑顔といえば今日はいいえがおの日って記念日だぞ」
「いいえがおの日?11月だから『いい』ってのはわかりますけど笑顔はどこからきてるんすか?」
「25で『にっこり』の語呂合わせからだ。健康食品を扱う株式会社えがおってとこが制定したそうだ」
「へー。…はっ!なるほど、それを口実にクリスちゃんの写真を撮ればいいってことっすね!」
「そんなつもりで言ったわけじゃないが…というか忘年会のときに集合写真なりなんなり撮ればいいだろ。それだったら自然に撮れるじゃん」
「…さすが高橋さんっす!その手がありましたね!いや〜、悪知恵に関して高橋さんの右に出るものはいないっすよ!よっ!悪代官!」
「褒められてるのか貶されてるのか…」