11月21日 自然薯芋の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。とろろそばが好き。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。麦とろご飯が好き…これ前も言わなかったっすか?
ここはとある郊外のコンビニ。
「居酒屋に行きたいんすよ」
「居酒屋?それはまたどうして?酒はあんまり強くないだろ?」
「お酒というよりですね、居酒屋メニューが食べたいんすよ。ガッツリ系もあっさり系もあって、かつ少しずつだから種類もいっぱい食べられるじゃないっすか」
「なるほど、それは一理あるな」
「でしょ!そういうなんでもないようなことが幸せだったと思う今日この頃なんすよね」
「虎舞竜かよ…居酒屋だったらここの向かいの店はおすすめだぞ。店主はここの常連さんだし」
「あー、ちょくちょく見かけますね。美味しいんすか?」
「ああ。それに店長のおすすめコーナーの常連でもあって、その商品を使った1日限定メニューがあったりするぞ。前に店長がとってきた燕の巣を売ってたときは、本格中華顔負けの料理が出てたな」
「へー。…燕の巣を自分でとってきたんすか?店長が?」
「そう言ってたよ。ほんとかどうかはわからんが」
「あの店長だとあながち嘘に聞こえないのが怖いっすね…でも高橋さんがどうしてもって言うなら一緒にその店に行ってあげてもいいっすよ!」
「あれ?いつのまにか俺が行きたいってことになったんだ…?…まあいいか。いつ行く?」
「先手必勝、油断大敵、やる気満々、意気揚々といいますからね!今日行きましょう!夕飯に!」
「どこかのオープニングテーマで聞いたようなフレーズだな…うん、わかった。じゃあそこの向かいの店に18時集合で」
「了解っす!楽しみっすね!高橋さんは何か食べたいものあります?」
「そうだな、山芋鉄板とか食べたいかな。今日は自然薯芋の日だし」
「あれ?自然薯芋の日?ついこの前あったような…」
「この前のは11月16日の自然薯の日だろ?今日は自然薯芋の日」
「ああ、あのレギュレーション違反の」※11月16日参照
「その覚え方はどうなんだ…」
「でもなんでこんな短期間に自然薯に関する記念日が2つも…やっぱりシーズンだからっすか?」
「それはあると思う。芋の品評会が毎年11月後半に行われるらしい。ちなみに21日なのは自然薯芋の語呂合わせだ」
「『2 1』ってことっすか…ちょっと無理があるような…」
「そしてさらに謎なのが自然薯の日と自然薯芋の日はどちらも同じ人が制定した日なんだよな…」
「…は?じゃあなおのことわける必要ないじゃないっすか…作った理由が違うとか?」
「どっちも自然薯を食べて丈夫な体になってほしいって理由なんだよ…」
「…高橋さん、こういうのは深く考えたらダメなやつっすよ。トロロでも飲んで忘れましょう」
「トロロは飲み物じゃねぇ」