11月19日 いい塾の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。塾といえば男塾。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。塾といえば超新塾。
ここはとある郊外のコンビニ。
「ありがとうございました、またお越しくださいませ」
「ありがとうございましたー」
「さっきの子、ここ最近よく見るよな」
「そうっすね。制服からするとこの近くの高校生みたいっすけど。こんな時間まで何をしてるんすかね?」
「うーん、多分塾の帰りじゃないかな」
「塾っすか?」
「ああ。鞄に合格祈願のお守りがついてたから、受験生なんじゃないかな。そして秋頃から見かけるようになったし、夏までは部活をして、引退してから塾に通い始めたんじゃないかと思うんだが」
「すごい!よくみてますね!ストーカーみたいっす!」
「その例えはやめてくれ…」
「でもそれはありそうっすね。ぼくもその流れでした」
「そうなんだ。やっぱりこんな遅くまで塾で勉強してたの?」
「そんな日が多かったっすね。あの時期はめちゃくちゃ勉強してましたよ。ぼく、夏休みから受験本番までに偏差値が倍以上になりましたからね」
「それはマジですごいな!本当のやればできる子だったんだな」
「ふふふ、もっと褒めてもらってもいいっすよ!高橋さんは塾に行ったりしなかったんすか?」
「そうだな。バイトもあったし。あ、でもその当時ここで店長の息子さんもバイトしてて、たまに勉強教えてもらったりしてたな」
「へー!息子さんは教え方上手でした?」
「ああ。特に暗記ものを自作の物語で覚えやすくするってのがうまくてさ。読むのも楽しいし、それで覚えると忘れにくいんだよな」
「それはめっちゃいいじゃないっすか!その物語って商品化したりしないんすかね?」
「俺も提案したけど、そのつもりはないらしい」
「それは惜しいっす…読んでみたかったっすね〜」
「うちにいくつか残ってるから今度持ってくるよ」
「ぜひお願いします!」
「ああ。しかし、塾か…そういや今日はいい塾の日って記念日だな」
「これこそ語呂合わせって記念日っすね。どんな記念日なんすか?」
「学習塾や英会話スクールを展開するSHIMON GROUPってとこが制定した日だ。こどもたちにとって本当に良い塾とはどのような塾なのかを情報発信し、講師、生徒、保護者が私塾教育について考える日とするのが目的らしい」
「どんな塾が良い塾か、っすか…難しいっすよね。だって勉強方法なんて人それぞれじゃないっすか」
「そうだな。田中くんは自己流の勉強方法って何かある?」
「ぼくは体動かしながらの方が頭に入りやすいんすよね。英単語覚える時はフルマラソンしながら覚えてました」
「ストイックだな…」
「高橋さんは何かあります?」
「うーん…勉強方法で変わったことはあんまりやってないかな。…あー、あんまりおすすめしないけど、どうしても落とせない試験のときは、店長のおすすめコーナーにある特製4択用鉛筆を使うといいかもな」
「あの四角になってて、それぞれの面に数字が書いてあるやつですか?…もしかして鉛筆転がして答えを決めるんすか?さすがに神頼みすぎるでしょ…」
「…過去問を解くのに使ってみたことがあるんだが、正答率100%だったぞ…怖くなったからそれ以降は一回も使ってないが」
「えぇ…ちなみに4択以外の問題で使って5番が答えだったらするとどうなるんすかね?」
「…転がしたはずの鉛筆が垂直に立つんだよ。何回やってもな…」
「…ちょっと怖すぎるんすけど…どんな力が働いてるんすかね…」
投稿が遅れて申し訳ありません。