6月25日 指定自動車教習所の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。教習所でのあだ名は「かもしれない運転の申し子」
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。マリオカートでコースアウトしないことがない。
ここはとある郊外のコンビニ。
「今日は6月25日か。…あっ、免許の更新行かなきゃ」
「高橋さん、免許持ってるんすね」
「ああ。ペーパードライバーだけどな」
「ふーん。あ、そうだ。せっかくなんで免許証見せてくださいよ」
「なんだ、せっかくなんでって。そんなおもしろいものじゃないぞ。まぁいいけどさ…ほら」
「どうもっす。どうして免許証の写真って犯罪者っぽく見えるんすかねー」
「見ていきなりそれかよ。残念ながら否定できないけど」
「あっ、AT限定なんすね!やーい、やーい!」
「やーい、やーいって言ってるやつ久々に見たわ。いいだろ、別に」
「そっすね。煽ってはみたものの割とどうでもいいっす。もう少し年上の人は気にするイメージあるっす」
「たしかに親父には言われたわ。『男のくせにAT限定か』って。でもMT車って乗る機会ほとんどないしなぁ」
「でもあのガチャガチャってやるのはカッコいいっすよね!」
「わかる。自分では出来る気しないけど」
「でもなんで急に免許更新のこと思い出したんすか?」
「ああ、今日は指定自動車教習所の日なんだよ」
「自動車教習所の日っすか?」
「そう。1960年のこの日から教習所卒業したら技能試験をパスできるようになったそうだ」
「へー。ってことはその前まではみんな一発勝負で合格してたんすかね?」
「どうだろう?私有地とかで練習してたんじゃないか?今ほど道路も整備されてないし、何より車が一般的じゃなかっただろうし」
「なるほどー でも直で試験受けて合格する方が安く済みますよね?狙ってみるかな…」
「やめといた方がいいと思うけど。試験落ちまくってむしろ高くついたって話も聞くぞ」
「そうっすよね…」
「田中くんは免許持ってないのか」
「そうなんすよ。母は車校のお金出してあげるって言ってくれるんすけど、やっぱ高いじゃないっすか?さすがに気がひけるというか…」
「そうかぁ。ん?田中くんって愛知出身だっけ?」
「両親の実家がそうっすね。ぼくが小学校に上がる前にこっちに引っ越してきたらしいっす。覚えてないっすけど。…なんでわかったんすか?」
「『車校』って略し方は愛知で特に使われるからそうかなって思って。親御さんの影響なんだな」
「…えっ、車校って全国的な言い方じゃないんすか?」
「東海地方とか北陸、北部九州で多いらしいぞ」
「そんな…じゃあみんなはなんて呼んでるんすか?」
「『教習所』とか『教習』って呼ぶのがマジョリティみたいだな。東北の方では『自車学』とか『車学』とか呼ぶとこもあるらしい。沖縄では『自練』だったかな」
「完全に共通語だと思ってたっす…気をつけます」
「いやこっちでも車校って言ってる人もいるから、別にいいと思うけどなぁ…」
「それでですね、しゃこ…教習所なんすけどやっぱり通うのも大変じゃないっすか」
「まあな。あっ、じゃあ免許合宿はどうだ?たしか合宿免許WAOのパンフレットがあったような…」
「それってファ○マで流れてるやつじゃなかったっすか?」
「店長のおすすめコーナーに置いてあった気がする」
「もうなんでもありのコーナーになってきたっすね…」
「あった、あった。…あっ、すまん、これ帝京平成大学のパンフレットだった」
「それもフ○ミマのやつでしょ…」