11月15日 きものの日 こんぶの日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。好きなこんぶは子持ちこんぶ。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。好きなこんぶはすこんぶ。
ここはとある郊外のコンビニ。
「店長のおすすめコーナーに千歳飴が置いてあるじゃないっすか?」
「ああ」
「あれって美味しいんすかね?」
「あれ?千歳飴食べたことないのか?」
「いえ、うすらぼんやりと食べた記憶があるんすけど…いまいち思い出せなくて…美味しかったようなそうでもなかったような…」
「それもそうか。多分7歳の頃の記憶だしな。千歳飴か…素朴な感じで俺は好きだけど、現代っ子受けはそんなに良くないかも」
「そんな感じなんすね。せっかくなんで買ってみようかと思ったんすけど、やめといた方がよさそうっすね」
「いや、でもおすすめコーナーのはかなり美味しい部類だと思うぞ。なんでも店長の知り合いで千歳飴を専門に作ってる人がいて、そこから仕入れてるらしい」
「千歳飴専門って…それ生計成り立つんすかね…?」
「さぁ…?でも去年買ってみたけどかなり美味かったぞ」
「なるほど。それなら買ってみます!千歳飴といえば七五三っすけど、日にちって決まってましたっけ?」
「一応伝統的には11月15日ってことになってるな。そんなわけで毎年この日にはおすすめコーナーに千歳飴が並ぶんだ」
「へー。…ん?でも先月親戚から七五三をやった写真が送られてきましたよ?」
「最近は10月から11月の間で行われることが多いみたいだな。週末とかの方がやりやすいだろうし」
「たしかにそうっすね。あー、でもいとこの子は可愛かったっすねー えっとたしか…(スマホポチポチ)ほら、この写真の子っす!」
「おっ、たしかに可愛いな」
「ですよね!きものがまたいいっすよね〜 きもの着てる子を見る機会ってなかなかないっすもん」
「そうだな。七五三がきものを着る機会ってことできものの日って記念日ができるぐらいだし」
「そうなんすね!やっぱりあれっすか?日本きもの協会とかが作った日なんすか?」
「おしいな。全日本きもの振興会だ。その振興会の設立したときに制定したらしい」
「くっ…新たな協会チャンスかと思ったんですが…」
「なんだ、協会チャンスって…でもなぜか記念日協会に登録したのは日本きもの連盟なんだよな…」
「えっ、別の団体なんすか?」
「うん。どういう関係なのかは調べたけどよくわからなかった」
「謎なんすね…これはその2つの団体から目が離せなくなってきましたね!」
「いや、別にそういうワクワクするやつじゃないと思うけど…」
「しかし今までの流れからいくと、きっときものの日以外にも『七五三だから』って理由で作られた記念日があるに違いないっすね!さあ、観念して教えてもらいますよ!高橋さん!」
「いや、別に教えるのは渋ってないぞ…でも鋭いな。今日はこんぶの日でもある」
「こ、こんぶ?なんでこんぶなんすか?」
「七五三の日にこんぶを食べて丈夫になってもらおうって理由らしい」
「…そんなのなんでもありじゃないっすか…小魚でもビスコでも超神水でも…」
「最後のは死者が出るだろ…そうは言っても日本昆布協会がそう決めたんだからしょうがないだろ」
「日本昆布協会!新たな協会が出てきましたね!しょうがない!協会に免じて許してあげましょう!」
「…君、そんなに協会が好きだったっけ?」