11月11日 串カツ田中の日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。好きな串カツは紅しょうが。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。好きな串カツはうずら。
ここはとある郊外のコンビニ。
「高橋さん!問題です!今日は何の日でしょう?」
「おお?珍しいパターンだな。クイズ形式とは」
「制限時間は2秒っす!さぁ、シンキングターイム!」
「短っ!待てよ、今日は記念日がいっぱいあるからな…どれが正解だ…?」
「ブッブー、時間切れっす!そんなんじゃこの先生きのこれないっすよ!」
「この先に何があるんだよ…それで正解は?」
「越後製菓‼︎」
「いや、そういうのいいから…」
「んもー、ノリが悪いっすね〜 正解はっすね、なんと!ぼくの誕生日っす!」
「ああ、なるほど…」
「テンション低いっすねー もっとクラッカー鳴らすとかしてくれてもいいんすよ!あっ、そうだ!早速プレゼントもらってもいいっすか!プレゼント!」
「ああ。ちょっと待って。…はい、これ。焼き菓子の詰め合わせ。お誕生日おめでとう」
「…えっ⁉︎な、なんでこんなプレゼント用に包装されたお菓子が準備されてるんすか⁉︎誰かのために買っておいたものとか…?それはさすがに受け取れないんすけど…」
「君のために買ったに決まってるだろ。誕生日プレゼントだよ。なんでそんなにびっくりしてるんだ?自分から要求したってのに」
「そ、それはちょっとした冗談で…ぼくの誕生日、知ってたんすか?」
「去年の今頃に一緒にバイト入ったとき、誕生日パーティーをしたって話をしてただろ。そのとき教えてもらったぞ」
「そ、そうでしたっけ…」
「あ、ちなみにこっちは店長から。みかんだって」
「こんなにたくさん!そういえば今日の店長のおすすめコーナーもみかんがいっぱい積んでありましたね」
「田中くんがみかんが好きって言ってたから、そのために合わせたのかもな」※7月4日参照
「店長…」
「(ただ間違ってたくさん仕入れただけで、『やべえ多すぎたわ…そうだ!田中ちゃん今日誕生日だったな!プレゼントってことで渡しておいてくれ!』って言ってのは黙っておこう)」
「ほんとにありがとうございます!とっても嬉しいっす!でも、よく覚えてましたね?」
「当たり前だろ。俺が田中くんの誕生日を忘れるわけないだろ」
「うぇっ!///そ、それは…ど、どういう意味っすか…?」
「だって今日はちょうど串カツ田中の日って記念日なんだよ」
「…は?」
「串カツ田中ってチェーン店があるだろ?そこが制定した記念日なんだけどさ。その日が田中くんの誕生日ってのがすごい覚えやすくて」
「…」(スン)
「ちなみに日付は1111ってのが串カツが並んでいるようにみえるからで」
「…」(ゲシッ)
「いてぇ!なんでいきなり脛を蹴ったんだ⁉︎」
「自分の胸に聞いてください!もう!」
「えぇ…やっぱり焼き菓子じゃまずかったか…?いろいろ考えたんだが…」
「あ、いえ、プレゼントはほんとに嬉しいっすよ。焼き菓子大好きっす。すみません、蹴っちゃって…そ、そうだ!高橋さんの誕生日教えてくださいよ!ぼくばっかり祝われちゃ癪なんで!」
「なんだ癪って…別にいいけどさ。7月6日だよ」
「もう過ぎてるじゃないっすか…なんで教えてくれなかったんすか⁉︎」
「いや別にそんな教えるようなことでもないし…」
「…高橋さんの性格考えるとそうっすね。よし、来年は盛大にお祝いしますんで!」
「いや、別にいいよ。今日だって俺が祝いたかったからプレゼント持ってきただけだし」
「ぼくも高橋さんのお祝いをしたいから準備するって言ってるんすよ!文句あります?」
「う…いや、ありがとう。正直めっちゃ嬉しい」
「でしょ!というわけで覚悟しておいてくださいね!7月6日でしたね!…はっ!サラダ記念日じゃないっすか⁉︎」
「そうそう。ちなみに7月6日は記念日の日っていう記念日でもある」
「なんと…さすが『記念日を愛し、記念日に愛された男』と呼ばれてるだけのことはありますね…」
「誰が呼んでるんだ、それ…」
「ちなみにプレゼントはこういうものが欲しい、とかあります?」
「うーん…弟は毎年サラダをくれるけどな」
「それは…サラダ記念日だからっすか?」
「うん。今年はミモザサラダだった」
「記念日に依存しすぎでしょ…ちなみに今欲しいものってなにかないっすか?」
「欲しいものねぇ…ポッキーかな。今日はポッキー&プリッツの日だし」
「ダメだこいつ…早く何とかしないと…」