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今日は何の日  作者: 毎日がエブリデイ
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11月6日 お見合い記念日

高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。両親はお見合いの末結婚した。そんなに悪くないものだと思ってる。

田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。親戚にお見合いを持ちかけたがるおばさんがいる。

ここはとある草津の旅館。


「まさかこんなことになるとはな…」


「すみません、ぼくのせいで…」


「いや、これは俺が悪いから…」


「いやぼくが…」


「…やめよう。これ今日何往復したかわからん…」


「そうっすね…」


草津に日帰り旅行でやってきた2人。湯畑や西の河原公園を巡り、観光を楽しんだ。温泉に浸かったあとに、早めの夕食を食べようとしていたときのこと…


『飲み物何にする?』


『ぼくはこのサイダーにします!』


『いいなそれ。俺もそれにしよう』


『高橋さん、ビール飲んだらいいじゃないっすか?』


『いや、帰りも運転あるし』


『帰りはぼくが運転しますよ!任せてください!』


『いやそれはさすがに…』


『高橋くん…贅沢ってやつはさ…小出しはダメなんだ…!』


『またハンチョウみたいなセリフを…じゃあお言葉に甘えようかな。正直めっちゃ飲みたい』


『そうでしょう!まあドーンと泥舟に乗った気持ちでいてくださいよ!』


『泥舟じゃまずいだろ…』




『美味しかったっすね!』


『ああ、それじゃ名残惜しいが帰ろうかね』


『また来ましょうね!よーし、運転するぞー!』


『…確認なんだが、免許は持ってきてるんだよな?』


『もちろんっすよ!ほら、ここに…あれ?…あっ!免許は別のバッグの中でした…今日持ってきてないやつの…』


『あらま…』


そして現在に至る。


「まあでも飛び込みで宿が空いててよかったっすね」


「ああ…さすがに2部屋は取れなかったけど…」


「あの…高橋さん。今日眠れそうっすか?」


「まかせろ。すでに緊張で吐きそうだ。一睡もできない自信がある」


「ダメじゃないっすか…そうだ!普段通りの夜勤だと思い込めばいいんすよ!いつものように駄弁って緊張をぶっ飛ばしましょう!」


「な、なるほど…じゃあ何か喋るかね」


「ええ!あっ、そういえば店長のおすすめコーナーでトラベル必需品セットを買ったんすよ!中身見てみましょう!」


「あの店長セレクションのやつか…嫌な予感しかしないが…」


「まあとりあえず開けてみますね。えーと、まず歯ブラシ10本セットっすね」


「歯ブラシはともかく、10本もいらないだろ…」


「あとは…ビンゴカードが入ってました」


「えっ、あの番号を抽選するやつは?」


「それは入ってないっすね。カードだけです」


「何に使えばいいんだ…」


「あと…これなんすかね?お菓子?0.01って書かれたちっちゃい袋になんか入ってますね」


「あっ…よし、すぐに片付けろ。別の話をするぞ」


「えっ、なんでですか?高橋さん、これがなんだか知ってるんすか?」


「明日の帰りに教えるから…今日これ以上聞くな。吐くぞ、俺が」


「えぇ…まあいいっすけど…じゃあ何の話します?」


「そうだな…あれ?俺たち普段どうやって雑談してたっけ…?かしこまると何にも出てこないぞ…」


「き、緊張しすぎっすよ…こっちまで緊張してきたじゃないっすか…」


「す、すまん…」


「…(ヤ、ヤバい、気まずい…というか冷静に考えると2人で宿に泊まるってとんでもない状況なんじゃ…)」


「…田中くん」


「は、はい!」


「えーと、あー、その…ご、ご趣味は…?」


「…プッ、あははは!『ご趣味は?』って、お見合いじゃないんすから!ははは!」


「うっ/// 悪かったな、緊張しすぎで!はぁ…あ、そういえば今日はお見合い記念日だな」


「おっ、いつもの調子が戻ってきましたね!それでお見合い記念日ってのは?」


「1947年のこの日に、東京の多摩川河畔で結婚紹介雑誌の『希望』の主催で集団お見合いが開催されたそうだ。そのことを記念した日だな」


「集団お見合いっすか。何人ぐらい参加したんすか?」


「総勢386人らしい」


「それはまたすごい数っすね…でも最近はお見合いってほとんど聞かないっすよね」


「そうだな。…あ、でもこの前店長から、結婚前提とした付き合い希望ならお見合い相手を紹介してやるって言われたな」


「えっ⁉︎そんな話があったんすか⁉︎」


「ああ。とりあえずすぐには決められないから保留にしてもらってるけど…せっかくのチャンスだし、受けた方がいいのかねぇ」


「そ、それはダメっす!絶対ダメ!」


「そ、そんな剣幕で言わなくても…でもなんで?」


「え、えーと、それは…そ、そう!高橋さんの異常性…もとい良いところは1回や2回会っただけじゃわからないっす!そんなお見合いなんかで結婚相手まで決めたら絶対に後悔すると思います!」


「なかなか辛辣だな…まあ大方断る気でいたからいいんだけどさ…」


「そ、そうなんすか…」(ホッ)


「だってお見合いにあたって店長から第一に聞かれたのが『呪術に関わる親族がいるか?』だぞ…」


「それは…ガチでやめた方がいいやつっすね…お相手はどんな人が出てくるんでしょうか…?」

投稿が遅くなり申し訳ありません。

第150回です。いつもお読みいただきありがとうございます。

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