6月24日 UFO記念日
高橋 バイトの先輩。記念日に詳しい。好きなUFOはアダムスキー型。
田中 バイトの後輩。「〜っす」が口癖。U.F.O.よりペヤングが好き。
田中太郎 田中の兄。高校時代は4番キャッチャー。
ここはとある郊外のコンビニ。
「宇宙人っていると思います?」
「いつもながら急だな。俺はいると思うけど」
「じゃあどこにいるんすか⁉︎今すぐ連れてきてくださいよ!」
「ど、どうした、そんな剣幕で。田中くんはいない派なの?」
「いや、ぼくは絶対いる派っす」
「じゃあなおのことどうしたんだよ?」
「聞いてくださいよ、高橋さん!うちの兄の話なんすけどね」
「ああ、田中太郎くんか」 ※6月19日参照
「そうっす。昨日兄と家でモノポリーしてたんすけど」
「なかなか聞かないシチュエーションだな…」
「話の流れで宇宙人はいるいないの話になって」
「どういう流れだ」
「マジメに聞いてるんすか⁉︎」
「すまん、でも引っかかるところ多すぎるだろ」
「まったく…それで兄はいない派なんすけど、『いるなら証明してみろ、できないならいないってことだ』の一点張りでして…」
「うーん…でもそれは逆にいないなら証明してみろ、で反撃できないか?悪魔の証明ってやつになるけど」
「それも言ったんすけど、あの男、口と野球だけは上手いんすよね…」
「言いくるめられたのか」
「そんなわけで何としても確実な証拠を見つけて、お兄ちゃんをギャフンと言わせたいんすよ!」
「話はわかったが、証拠かぁ…店長のおすすめコーナーに漫画の『うちゅう人田中太郎』の単行本があったけど、あれ持ってくのはどうだ?」
「それは…ちょっとおもしろいっすね。証拠とは別っすけどとりあえず買って帰ります」
「あとは…宇宙人とは違うが、実は今日UFO記念日なんだよ」
「UFO記念日?」
「ああ。1947年にアメリカで初めてUFOが目撃された日らしい」
「そ、そのUFOはどうなったんすか⁉︎」
「目撃情報が相次いでアメリカ空軍が調査するまで発展したらしい。結論は『目の錯覚の類』ってことになってる」
「なーんだぁ…」
「そういやディスカバリーチャンネルで宇宙の金属生命体が地球に潜伏してるみたいな特集をやってたな」
「えっ、マジっすか!どこにいるんすか?」
「高温じゃないと固まっちゃうから火山の中にいるかもって言ってたような」
「よし、早速探しに行ってくるっす!」
「やめとけ、死ぬぞ」
「ちぇー。…実はぼく、ひとつ宇宙人じゃないかと疑ってるものがあるんすよ」
「おっ、なになに?」
「誰にも言わないでくださいよ。ズバリ、ガチャピンとムックっす」
「…は?」
「ガチャピンってなんでもできるじゃないっすか。スキージャンプにスノボー、スキューバダイビングにモトクロス、流鏑馬まで。あれきっと中に宇宙生命体が入ってるんだと思うんすよ」
「…ツッコミどころしかないけどとりあえず最後まで聞くか」
「ムックの中身はきっと子供っすね。不安定だからムックの方はほとんどチャレンジしないんすよ、きっと」
「…まぁあれだな。河童実は宇宙人説みたいなやつだな」
「なんすか、それ?」
「昔の人が宇宙人にあったときにその背後を飛んでた宇宙船を頭の上に皿が乗ってると勘違いしたっていう説」
「なるほど、そんな説もあるんすね…河童ってどこにいますかね?かっぱ寿司の地下っすか?」
「それは確実にデマだと思うぞ。つーか河童が捕まるだけでも大ニュースだろ」
「そうか…じゃあやっぱりガチャピンとムックを狩るしか…」
「やめとけ」